坂倉準三展―鎌倉
昨日の日曜日は、鎌倉の神奈川県立近代美術館で開催されている、「坂倉準三展」を見に行きました。

大学の同窓会の女性フォーラムの行事に男4人で同行させてもらったのですが、女性らしく、見学の後にフランス料理のランチと言うのも楽しみでした。

八幡宮の蓮池

ご存知の方も多いと思いますが、この美術館自体も坂倉準三の設計で、八幡宮の境内、入ってすぐの蓮池に面して立っています。
丁度、蓮の花の季節だったようで、境内に入るとすぐに大輪の蓮の花に迎えられました。

美術館正面

建物は1951年完成と言うから、もう60年近い年月が経っています。鉄骨造の外壁は1階が大谷石を積んで、2階は石綿板を張っている。コスト的なこともあったのだろうけれど、工業製品を使ったちょっとそっけない表情が、いさぎよく、美しく感じられます。

展覧会は1920年代のル・コルビュジェのアトリエ時代の図面、模型から1970年代の晩年の作品までを網羅しています。
よく知っている作品もあれば、こんな設計もやっていたのかと言うようなものもありますが、なんといっても、この美術館自体が最高の展示作品だといえます。

僕は学生時代に2回ほどここを訪れていますが、久しぶりに見て、本当にすばらしい建物で感激しました。
同じコルビュジェのアトリエにいた、前川国男や吉坂隆正と比べると、坂倉準三が一番コルビュジェの影響をストーレートに受けているような気がします。
たとえば、中庭の雰囲気とか、
中庭

2階のテラスのこんなところとか
ミュジアムショップへの階段

カフェテラスのインテリアの、低い天井と吹き抜けのスケールなどは、マルセイユのユニテダビタシオンの断面を思い起こさせます。
カフェテラス

ぐるっと展示を見て、1階に下りると、彫刻展示スペースになっているピロティーの部分が、とてもよい空間です。細い鉄骨の柱が池の中に建っていて水平に切り取られた蓮池の景色が目の前に広がります。
ここは、ちょっと日本的な雰囲気のあるところで、コルビュジェの影響の強いデザインの中で、坂倉準三の面目躍進といったところでしょうか。
ピロティー



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世田谷の現場
今日は午後から、世田谷の現場へ行きました。

先週、取り付け工事中だった、キッチンの家具が完成していました。これに、IHヒーターと、食器洗い機を取り付ければ完成です。
キッチン
竹の面材を使っているので、いつもよりも少し色が濃い感じですが、この家にはこのほうが合っている感じがします。カウンターは、1.6mmのステンレスで作ったのですが、カチットした感じでなかなかよさそう。

キッチン全景
居間側から見るとこんな感じですが、今週中には設備や電気の器具もつけ終わり、床の養生をはがすと、ほとんど完成になります。
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期日前投票
選挙が近いので、朝からテレビ各局では各党の党首が出演して討論会が行われていました。どう見ても自民党が劣勢と言うことで、麻生さんの答弁には元気がなく、同じことを言い訳のように繰り返しているように聞こえます。

午後から、区役所へ期日前投票に行ってきました。
来週の日曜日は、同窓会の集まりで鎌倉へ行く予定なので、一足先に投票と言うことです。
区役所の駐車場は、すでに満杯状態で、投票所はかなり多くの人が来ていました。僕は、期日前投票は初めてですが、一緒に行った息子の話では、以前の不在者投票のときは、不在理由の証明をするものが必要だったりして、手続きが面倒だったそうですが、期日前投票になってずいぶん楽になったと言うことです。
事実、投票用紙の裏に署名をして、理由の欄にチャックを入れるだけといたって簡単、これならば投票日に無理をしなくても、期日前に当方するほうが楽かもしれない。

それにしても、これだけ多くの人が投票に来ているのは、期日前投票が楽になっただけではなく、今回は、有権者の意識が高くなっているような気がします。
投票率が、かなり高くなるとして、その結果がどう出るのか、来週日曜日の選挙結果から目が話せません。
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世田谷の現場-キッチン取り付け
昨日は、午後から世田谷の現場へ行きました。

現場は、先週から施工していた壁の漆喰塗りが終って、いよいよ最終段階。いつも家具工事を頼んでいるCampの木戸君がキッチンの取り付け工事を行っていた。

キッチン家具
今回は木戸君の提案で竹の集成材を面材にしてみた。ちょっといつもと違った雰囲気のキッチンになりそう。

ステンレスカウンター
カウンターはステンレスにて、特注で奥行きを75cmにしました。カウンターの巾が2.1mと、少し短いのですが、奥行きがあるので、調理のスペースとしてはそこそこ取れています。足りなければ、横に折りたたみ式のカウンターをつけようかと思ったのですが、このままで問題はなさそう。

家全体が狭いので、キッチンひとつとっても微妙な寸法になります。キッチンカウンターと、後ろの食器棚との間が70cmで、これもいつもより狭く取っているのですが、実際にキッチンの前に立ってみると、僕の体格ではほとんど問題がないことも確認できました。キッチンに二人で立つと少し狭いかな、と言う感じです。
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羽根木の森
先日、世田谷の現場に行った帰りに、近くに建築家の坂茂さんの設計による賃貸住宅があると聞いて、見に行きました。

現場から5分ほど歩くと、緩いカーブの先にこんもりと木が茂っているところが見えます。東京の道で森が見えるところは、たいてい神社があるんだよなーと思って、近づいてみると、そこが「羽根木の森」と名付けられた賃貸住宅でした。
羽根木の森

確かに森と言う命名があながち可笑しくない風情です。

3階建の白いモダンな建物ですが、すっかり緑に囲われて、全く違和感がありまさせん。元々建ぺい率の低い場所かもしれないけれど、かなり贅沢に敷地を残して、元々あったと思われる大きな樹木を残しています。
ピロティー

1階部分はピロティーで持ち上げられていて、駐車スペースになっているのだけれど、感心するのはコンクリートやアスファルトで固められていなくて、通路部分に、これも元からあったと思われる御影石を敷き詰めて、後は枕木や、松の皮が敷かれている。これだと雨水がしみ込んでゆくのと水が蒸発する時の気化熱で、夏もだいぶ涼しいはず。事実、この日はかなり気温が高かったのだけれど、ここに入るとひんやりとした風が流れていました。
階段室

1階の玄関部分と階段も、最低限の面積で地面に接していて、極力地盤面を残こして、建物を浮かせようとしているのが解る。
建物と木

大きな木があるところは、壁がごらんのように廻る丸くくりぬかれていて、建物が植物に遠慮している感じです。ちょっとわざとらしい感じがしないでもないけれど、こうして既存の樹木を残してゆく姿勢が好ましく感じられます。
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夏休みの朝
今日は、夏休み最後の日。

4日間の休みだったけれど、どこにも出掛けず、家で毎日のんびり過ごしました。
今朝は、家族も全員そろっているので、朝食にオムレツを作って、トマトサラダを作ったのですが、その色がきれいだったので、写真を1枚。
トマトサラダ
トマトの輪切りに、にんにくのみじん切りとバジルを乗せて、オリーブオイルをたらしただけの、いたって簡単なものだけれど、これが中々おいしくて、我が家の休みの朝の定番になっている。と言うのは、にんにくがたっぷり乗っているので、休みの日にしか食べることが出来ないのです。

午前中は、古いレコードを引っ張り出して聞いてみる。
QUINTESSENCE
久しぶりにジャズを聞こうと思って、かけてみたのはビル・エバンスの「Quintessece」。
表題の意味は良くわからないけれど、クインテッドの演奏なので、関係があるのかな。エバンスのオりジナルトリオのリズムセクションではなく、レイ・ブラウンのベース、フィリー・ジョー・ジョオーンズのドラムスにハロルド・ランドのサックス、ケニー・バレルのギターと言う、豪華メンバー。
エバンスのリリカルなピアノに合わせて、各プレイーヤーの抑制の取れた演奏が素晴らしい。特にケニー・バレルのギターが良くて、僕のお気に入りの1枚だった。(本当に聞くのは久しぶり)

最近は、あまりジャズを聴かなくなったけれど、やっぱりジャズはいいですね。
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世田谷の現場-漆喰塗り
昨日は午後から世田谷の現場へ行きました。

北外観
現場は、足が場外れて、ようやく外観が見えるようになりました。
道路側は、道が狭いのでカメラを目いっぱい広角にしても入りきれません。間口が狭く、窓も少ないのでごらんのような感じ。

南外観
裏側に廻って、お隣の敷地から取ると、こんな感じでこちらが南側になるので表情が出てきます。

内部では、左官屋さんが壁の漆喰を塗り始めていました。

漆喰塗り

日本の漆喰ではなくスイス産の漆喰なのですが、左官屋さんは初めてらしく、中に骨材が入っているので中々平滑にならないと苦労している様子でした。こちらとしては、多少ラフな感じでよいというつもりなのですが、職人さんにしてみると、その多少の感覚が難しいらしい。

インターンで来ている学生のKさんは、漆喰を塗るところを見るのは始めてらしく、鏝の種類にも色々あるのを職人さんに説明してもらって、盛んに感心していました。
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鍵屋―根岸
鍵屋

昨日の夜は高校時代の友人と会って、飲みに行きました。

彼の家が台東区の根岸にあり、この辺は下町で昔ながらのよい飲み屋があるから一度のみに行こうと、前々から誘われていたのです。
彼の家から、いかにも下町らしい、細い路地を歩いてゆくと、暗い道に白い暖簾だけが浮かび上がって、その店がありました。「鍵屋」と言う名前で、入口からして、なかなか風情があります。

暖簾をくぐると石を敷き詰めた土間を挟んでカウンター席と、ちょっと広めの座敷があります。
常連らしい友人の定位置で、カウンターに座ると、分厚い無垢材のカウンター、煤で黒光りした柱や梁がなかなか良い感じです。
店の主人の話では、元々下谷にあった店がここに移転して来たと言うことですが、下谷時代の建物は
安政3年に建てられた物で、今は小金井の江戸東京建物園に移築されていると言うことです。すごい!
出てくる料理も、けっして凝ったものではなく、シンプルな飲み屋のつまみといったものですが、どれもすごくおいしいと感じるのは、きっと料理の仕方が丁寧なのでしょうね。
僕が気に入ったのは、冷奴。近所の豆腐屋で作っていると言うことだけれど、少し固めの木綿豆腐で、ねぎをいっぱい別の皿によそってくれた物を、好きなだけ載せて、紫蘇の葉の刻んだものと一緒に少し醤油を掛けて食べるだけ。これが本当においしい。
その他、うなぎを串に刺して焼いたものや、味噌田楽など、どれも簡単な料理だけれど一味違ったおいしさがあって、ついつい酒のピッチが上がります。

夏休み中で、空いていることもあって店は静かで、久しぶりに高校時代の友人達を話題にして飲み明かした夜でした。
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夜想曲集
夜想曲集

カズオ・イシグロの「夜想曲集」を読みました。

これは、「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」と言う副題が付いているように、彼の最新作、五つの物語からなる短編集です。
僕は、前作「私を離さないで」で,初めて彼の作品を読んだのですが、そのときは興味深い作品とは思いながら、全く個人的な理由でうまく作品に入り込むことが出来ませんでした。

今回は、音楽又は音楽家をテーマとした短編と言うことで、十分楽しむことが出来ました。
ベネチア、ロンドン、モールバンヒルズ、ハリウッド、最期に又イタリアの小さな町と舞台を換えながら、売れない若いミュージシャン、引退した老音楽家等を主人公にして、思いがけないストーリーが展開してゆきます。

それぞれに自分の才能を信じながらも、先のわからない不安定な音楽家の立場と、これまた先のわからない男と女の関係が、微妙に絡み合いながら、五つの話が展開してゆきます。
僕が気に入ったのは、最期に出てくる、イタリアの町の広場で展開される、若いチェリストの話。
イタリアの町と言えば広場。広場に面したカフェで演奏するミュージシャンという設定が、目に浮かぶようでとてもいい。
東欧から、イタリアにやってきた主人公は、自分の才能を信じているけれども同時にこの先どうなるのかと言う不安を抱えている。そんな彼の前に、高級ホテルのスウィートに長期滞在している、自称チェロの大家の女性が現れて、彼はレッスンを受けるようになると言う話です。本当に彼女はチェロの大家なのかと言う疑問を引きずりながら話は展開して行き、チェリストとしての彼の将来がどうなるのか、判断を読者に委ねるような形で話は終わります。
どの話も、短編として、切れの良い作品になっていて、読後にいつまでも余韻が残るところがあります。

カズオ・イシグロという人は、日本人ですが、長くロンドンに住んでいて、英語で小説を書いています。丁度、リービ英雄がアメリカ人でありながら日本に住んで、日本語で小説を書いているのに似ていると言えます。ただ、リービ英雄は、あくまでも自分はアメリカ人であり、越境者として、日本で日本語で書くということにこだわっているのに対して、イシグロには、日本人であると言うこだわりは全くありません。たまたま日本人として生まれていると言うだけで、英語でイギリス人のように書くということに、不自然さを感じていないように思えます。
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世田谷の現場―塗装工事
今日から、大学のインターンシップの学生が今月いっぱいの予定で事務所に来ています。
僕の母校、法政大学の3年生のKさん。来てもらったからには、学校では勉強できないことを経験してもらおうと色々プログラムを考えてみたのですが、まずは現場を見てもらうのが一番の勉強と、午後から一緒に世田谷の現場に行きました。

塗装工事

現場は、内部の大工さんの仕事がほぼ終わり、塗装屋さんが、階段や枠周りの塗装工事をやっています。
最初の設計では壁も塗装仕上げだったのですが、途中から壁は漆喰塗りに変更したので、塗装の仕事はそんなに多くありません。漆喰を塗ると、汚れやすい仕事は出来なくなるので、その前に枠周りの塗装と言うことになります。

ここまで来ると、だいぶ部屋の様子も見えてきて、トップライトから入る光の感じもわかるようになります。学生のKさんも、小さなトップライトなのにずい分明るいですね、といっていたけれど、こういう光の感じは、図面だけではなかなか解らない所かもしれない。

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我々は何者か―ゴーギャン展
今日は午後から、竹橋の近代美術館で開催されている、ゴーギャン展に行ってきました。

ゴーギャン展

仕事の手もちよっと空いたことだし、仕事中だけれど竹橋は近いしと、言い訳をしながら行ってきました。
去年、ポール・ゴーギャンと祖母のトリスタン・フローラを主人公にした、ガルバス・リョサの小説を読んで以来、ずーっとゴーギャンの絵が気になっていました。
ウイークデーなので、混んではいましたが、それほどひどい状態ではなく、ゆっくりと絵を堪能出来ます。
お目当てはやはり「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」と題された、ゴーギャン晩年の大作です。この作品については、ガルバス・ジョサの小説でも、最後にゴーギャンの到達した世界として詳しく描かれていたので、見るのを楽しみにしていました。
展示は、広い展示室にこの絵一点だけを置き、ゆっくりと観賞できるようになっており、前室ではビデオを使って、詳しい解説が見られるようになっていると言う、なかなか親切なものでした。

横に長い絵の中央にいる、りんごを捥いでいる女性はイヴだと言われています。彼女の足と手が、画面の下と上いっぱいに描かれていて、画面を左右に二分しています。彼女には強いハイライトが当たっていて、少し離れたところから、目を細めてみると周りの人物達が消えて、彼女だけが浮かび上がってくるのを面白く思いました。

展示されている作品は、それほど多くはないのですが、かえってゆっくりと見ることが出来て、贅沢なウイークデーの午後を過すことになりました。
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古事記と日本書紀
古事記と日本書紀


「地図とあらすじでわかる-古事記と日本書紀」(青春出版社)と言う本を、本屋さんで見つけて買いました。
戦前に教育を受けた人は、小学校で古事記について習ったと言うことですが、僕たち、戦後生まれの世代は、多分、戦前の神道国家主義の不幸な記憶のせいではっきりと記紀の内容について教わった記憶がありません。
そんなこともあって、この本を読んでみたのですが、中に出てくる一つひとつの話は、良く知っている話です。
たとえば、スサノオの乱行とアマテラスの天岩戸の話、稲羽の白兎と大国主神、海彦山彦の話など、神話というより昔話として絵本で読んだ記憶がある。
だからこの本を読んで、初めて全体の話の流れ、一つひとつの話のつながりや、神々の関係が良くわかりました。
ただ読んでゆくのに苦労したのは、神々から天皇にいたる系図の複雑なことと、神々の名前の難しいこと。たとえば天孫降臨したアメノオシホミミの子供のニニギがコノハナサクヤビメと結婚して生まれたのが、ホデリ、ホスセリ、ホオリ。そのホオリ(ヤマサチビコ)とトヨタマビメの間に生まれた子供が、アマツヒコヒコナギサタケウガヤフキアヘズなどと読んでいると、何がなにやら訳が解からなくなり、何度も元に戻って読み直さなくてはなりませんでした。

古事記はほとんど神話の世界ですが、日本書紀は前半の古事記と重なる部分は神話ですが、後半に入って少しずつ歴史的事実に近付いて来るところが面白いところです。もちろん天皇を中心とした権力の正当性を示す為に書かれたという事情があるからなのでしょうが。
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