サルトルのこと、マルケスのことなど
「自由への道」「生きて、語り伝える」

今日で2009年も最後の日。

今年最期の読書は、ガルシア・マルケスの自伝「生きて、語り伝える」を読んでいます。まだ1/3ほどまで読み進んだところですが。
その前には、ジャンポール・サルトルの「自由への道」の一巻目「分別盛り」の新訳が出たので、読みました。これは、学生時代に夢中になって読んでいたものです。
改めて読み直してみると、当時考えていたことが蘇って来て、この本から影響を受けていたことに色々と思い当たります。
この本では、個人の自由と社会の関係が描かれていますが、個人主義的色彩の強いものです。ここには、ほとんど家族と言うものが出てこなくて、主人公のマチウの親も兄弟のことも一切出てきません。

マルケスは、サルトルとは対極にいるように今回思ったのは、マルケスの小説には、多くの家族、親類、友人、恋人たちが出てきます。「100年の孤独」はラテンアメリカ的、大家族小説とでも呼びたくなるようなものです。
マルケスが小さいときに過ごした、母方の祖父の家では、一日中人の出入りがあり、いつ人が来ても料理を出せるように、かまどにはいつも火が入っていたと言うことです。
マルケスの母は、11人の子供を生み、夫の子供4人も一緒に育て、2002年97歳で亡くなったときは、65人の孫、88人の曾孫、14人の玄孫に恵まれたそうです。

我々の生活は核家族化が進み、さらには少子化が進んでいますが、それが人間にとって本当に幸せな生活なのかどうか、マルケスの本を読みながら考えてしまいました。
人間は個人として自由で独立した存在であると言う、個人主義(ユマニズム)と言う考え方は多分18世紀末のヨーロッパが起源で、近代化と共に日本を含む世界に広まっていったものだと思います。
その個人主義にも、行き詰まりが見えます。それが、急速に進む地球の環境破壊の問題と結びついているのではないでしょうか。
もう一度、個人と社会の関係について、考え直す時期に来ているのではないかなどと、一年の終わりに当たって取り止めもなく考えています。

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今年最後の現場-高田馬場の家
今朝は、高田馬場の耐震リフォームの現場へ。

本当は、外部の仕上げが終って、外部の点検をして、年内に足場をばらす予定だったのですが、前回見た時に、外壁のモルタルの仕上げが悪く、やり直してもらったために、年内の足場解体は無理になりました。
今日は、全面的に補修をかけた、モルタルのチェック。これで、年明け早々吹き付け仕上げをして、足場解体の予定。

ナラ無垢フローリング

中では大工さんが、1階のフローリングを張っています。少し工程が遅れているので、大工さんは29日まで仕事をして、年明け4日からは仕事再開とのこと。

床暖房パネル

2階は、床暖房のパネルが施工されていて、これもこの後大工さんがフローリングを張ってゆく予定。

天井断熱材施工とダウンライト廻り

2階の天井には断熱材が施工されています。壁と同じ、セルローズファイバーの吹き込み工法だけれど、天井の場合は天井の骨組みの間にシートを張って、その上に吹き込んで、吹き積もらせるような格好になっています。200mmの厚さなので、下から押してみると、結構の重さを感じます。やはり天井の場合も隙間なく断熱材が層を作るようになるところがこの工法の信頼性のあるところ。
ちょっと面倒なのは、天井埋め込みのダウンライトの場所にあらかじめ箱を作っておくこと。天井を張った後で穴を開けると、断熱材がこぼれてきてしまうのを避けるためです。
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「上尾の家」がTOTOのサイトに掲載されました
キッチンとダイニング

昨年リフォームした「上尾の家」がTOTOのウエブサイトの中、ネオレストと言う便器を紹介するページに掲載されています。

My REST STYLEと言う、事例を紹介する、ウエブマガジンのようなページです。
この家のご主人の趣味である園芸と、夫人の趣味である陶芸の話から、趣味と住まいとこだわりのトイレの実例を紹介するというような構成になっています。
よかったら見ていただければ幸いです。
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category:住宅
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豆腐の中華風を作ってみる
昨日は、久しぶりに夕食の料理を作ってみました。普段の日曜日は、何かと忙しくて、ゆっくり料理を作る暇がないのですが、昨日のように祭日の日は少しのんびりして、夕方から食事の支度を始めるのも良いものです。

僕の十八番料理、バンバンジーの注文が上さんからあったので、もう一品やはり中華風の料理でと考えました。
レパートリーはないのですが、いつか中華料理屋さんで食べた豆腐の煮込み料理を思い出して、見よう見まねで作ってみました。

確か、豆腐とエビと青梗菜、それに椎茸も入っていたかななどと考えながら、最後に片栗粉でとろみを付けたら、結構ちゃんとした中華料理が出来上がりました。
豆腐と青梗菜の煮込み

とろみが少し足りなかったり、多分しょうがを入れるともっといいだろうなどと考えながら、もう2、3回作るとレパートリーに加えられそう。
僕のHPには、料理コーナーがあり、バンバンジーのレシピはそこに出ているので、よかったら見てください。
豆腐の中華風と言うのも、その内そこに載せようかと思っています。
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オペラシティーのクリスマスツリー
土曜日は、午前中に今年竣工した「永福町の家」と「羽根木の家」に伺ってきました。

「永福町の家」が3月竣工、「羽根木の家」が9月竣工ですから、どちらも本格的な冬を経過していないので、ここのところの寒さで暖房がちゃんと効いているかどうか、住み心地どうかなどを確かめる目的ですが、どちらの家も朝晩だけ床暖房を入れれば、日中は暖房なしでよいほど断熱が利いているようで、快適に暮らしていますと言うお話を聞いて、一安心。
羽根木の家

羽根木の家の3階に設けた、お父さんと子供の共用勉強部屋は、予定通りに使われているようでした。
3階勉強室

午後からは、初台のフジエテキスタイルへ、高田馬場でリフォーム工事をしているお施主さん夫婦とカーテンセレクションへ行きました。
初台の駅の上、オペラシティーの中庭には、大きなクリスマスツリーが設置されていましたが、明るい時間なので、イルミネーションは付いていませんでした。
オペラシティーのクリスマスツリー

カーテンを選ぶのに、だいぶ時間が掛かったので、終わってショールームを出ると、外はもうすっかり暗くなっていました。初台の駅へ戻ると、クリスマスツリーにはイルミネーションに灯が灯って、とてもきれいでした。
なぜかこのシーズンに、カーテンのセレクションになることが多いので、このクリスマスツリーはもう何回も見たような気がします。
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コレラの時代の愛
コレラの時代の愛

いつものツタヤでDVDを借りて、「コレラの時代の愛」を見ました。

これは、ガルシアマルケスの原作を、映画化したもの。
若くして、恋に破れた青年が51年9ヶ月と4日待ち続けて、ついに恋が成就するという物語。
マルケスの小説は、どこか非現実的な様でいて、不思議と読者を納得させるところがあります。かの国では、きっとそういうこともありえるのだろうと。

映画は、かなり忠実に原作をなぞっています。だから、少し物足りないところもあるのですが、原作がこれだけすばらしいと、映画化に際して、何も足したり、引いたりすることは出来ないこともよく解ります。
20世紀始めのコロンビア、カルタヘナの街の雰囲気、年取って結ばれる二人が、舟に乗って、川をさかのぼり、密林の中を進むシーンなど、原作の雰囲気がよく伝わってきます。

マルケスの自伝的な新作「生きて、語り伝える」を読み始めたところなのですが、その冒頭に彼の両親の話が出てきます。これを読むと、「コレラの時代の愛」の、二人の主人公の設定は、彼の両親からヒントを得ているようです。
もっとも、マルケスの両親は、51年も待つことなく結婚して10人も子供を生んだということですから、ストーリーとは関係ないことですが。
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冬の花は
昨日あたりから急に寒さが厳しくなって、いよいよ冬本番ですね。
この季節は、見かける花も限られてきますが、我が家では山茶花が花盛り。
山茶花

濃い緑の葉に、淡いピンクの花の取り合わせが、なかなかきれいです。

いつもの通勤路で、赤い花を見つけました。
ボケの花

近くで見てみると、ボケの花のようです。
目立たない花ですが、この時期こんなに赤い花は少ないので、ちょっと気になります。
ボケの花びら

花びらの形も、近くでよく見ると、可愛い形をしています。
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耐震面材取り付け-高田馬場の家
今日午前中は、耐震リフォームの工事を行っている、高田馬場の現場へ。

先週から張っていた、壁の耐震面材が貼り終わっていて、その検査を行いました。
今回は、全て内側の壁に耐震面材となる、ガラス繊維強化石膏ボード(商品名タイガーグラスロック)を張って、壁の耐震を図っています。
グラスロック

構造用合板の場合と同じ様に、この製品の場合も、取り付けるビスが、指定品かどうか、ビスの取り付けピッチが正しいかどうかなどが大事になる為、今日はそれを確認しました。
ビス取り付けピッチの確認

このボードは、結構重く、カットが大変な上に、取り付けるビスのピッチが細かいので、大工さんはだいぶ苦労したようです。しかし、このまま仕上げの下地として使えるので、便利な製品だと思います。今回は、この上に漆喰を塗って仕上げる予定。
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大井町の家」取材
昨日の日曜日は、3年前に竣工した、大井町のお宅で、取材があり立会いに行って来ました。

日本の大手ガラスメーカー3社が運営している板ガラス協会で、「エコガラス」と言うサイトを作っており、その中にウエブマガジンとして開口部にこだわった家を掲載して、毎月更新しているので、そこに載せてほしいという依頼があったのです。

「大井町の家」取材風景

エコガラスと言うのは、ガラスメーカーではLow-eガラスのことを言っているらしいのですが、今回の取材は、ペアガラスのお宅でも良いと言うことでした。
取材の編集の人からは、設計の時の考え方や、クライアントの要望、打ち合わせのやり取りなどの話を聞かれ、設計中のことを懐かしく思い出しました。

二人でモデル

竣工後に生まれた、咲子ちゃんも、すっかり大きくなって、お姉ちゃんと一緒にカメラマンの前でモデルになってもらいました。設計中に作った模型も久しぶりに見ました。

取材は午前中で終ったので、午後から、早稲田大学筝曲研究会の定期演奏会へ。
去年、リフォーム工事を行った、落合の家のお施主さんが、ここのOBで、今回は本人も出演すると案内状をもらったものです。
この落合の家の竣工パーティーでもお琴を聞かせてもらったのですが、今回は学生さん、OBで色々な曲を合奏で聞かせてもらいました。

合奏風景

緋毛氈に金屏風を背景に大勢での演奏は、早くもお正月が来たようで、華やかなものです。
不思議なことに、バロックの合奏協奏曲を聴いているような気分がしました。
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国立代々木競技場
先日渋谷区役所へ行く用事があり、帰りに思いついて代々木競技場に寄ってみました。

電車の窓からは、よく見かけますが、近くで見るのは久しぶりです。
言わずと知れた、丹下健三の代表作ですが、改めてすごい建築だと思いました。

国立代々木オリンピック競技場

この建物が出来たのが1964年、東京オリンピックの年。高校生だった僕は、この建物を見て、ひどく驚いたことを今でも覚えています。どんな発想からこんなものが出来るのか、構造とデザインの関係はどうなっているのか、構造が先なのか、デザインが先なのかと、あれこれ考えたものです。

国立競技場

この建物を見ていると、デザインと言うものは、機能からそのまま演繹されるものではなく、どこかで飛躍するものだということがよく解ります。
丹下健三と言う人は、その飛躍が人並みはずれて大きかったのではないかと思います。つまり、それがそのまま天才性と言うことなのでしょうね。

エントランス詳細

代々木競技場は、その構造の面白さについ目が行きますが、エントランス周りのデザイン、ディテールもすばらしいことに気がついたことが、今回の収穫でした。
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「喋る馬」
バーナード・マラマッド

バーナード・マラマッドの「喋る馬」を読みました。
表題の「喋る馬」を始め、マラマッドの短編を訳者の柴田元幸が10編を選んで、一冊にしたものです。
どの作品も、主人公はアメリカに住む、貧しく、虐げられたユダヤ人です。時には人間でもなく、奇妙にも喋る馬や、ユダヤ鳥と自称する鳥であったりするのですが、ヨーロッパを逃れてきた、ユダヤ人の過酷な生活と、悲哀を描いている点では同じように見えます。
そして、主人公達の悲惨な人生の先には不思議な結末が待っているのですが、それが果たして、問題の解決になるのか、ならないのか、彼らに救いはあるのか、ないのか、読者には判断をすることが難しい。

あまりにも理不尽な運命に、迎えに来た死神に飛びかかって運命を変える男(白痴が先)、自分が喋る馬なのか、馬の中に入って喋っている人間なのか解らずに悩んでいる馬の中から最後に出てきたものは?(喋る馬)、ハーレムに住んで、見習いの天使だと自称する黒人の男(天使レヴィーン)など、どの話も暗い話なのに、シュールなユーモアがあります。

どの話も、味わい深く、面白いのですが、僕は「最後のモヒカン」が特に気に入っています。
なけなしの金を集めて、ローマへジオットの研究にアメリカから来た、ユダヤ人の話です。ローマで物乞いをしているユダヤ人に、書きかけの原稿を盗まれ、何ヶ月もローマの町を探し回り、やがてユダヤ人のゲットーにさまよいこんで行くのですが、そこで彼は大事なことに気づかされるのです。その大事なものが何なのか、それが彼にとってなんなのかは、やはり読者の判断に任されたままなのですが。
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モノクロの写真
アフリカ

先週、セバスチャン・サルガドの写真展を見た時の、印象がずっと頭から離れません。

色々考えてみると、あのアフリカの写真は、全てモノクロ写真だったことが、強い印象を残しているような気がしています。

写真を構成しているものの中で、色を外すことによって、その他の要素が際立って、見る人に強い印象を与えるのだと思います。人間とって、色彩と言うのは一番感覚に訴えやすい要素なので、逆に言えば色彩によって、その他の要素が薄められてしまう。どうしても色彩に誤魔化されてしまうわけですね。
サルガドの写真の中にある、独特な奥行きを持った光は、色彩がないことによって我々見るものに容易に意識させられるところがあるといえるし、砂や木々や動物達が作るフォルムや、きれいなラインはやはりモノクロなので、誰にも素直に感じられるものの様に思えます。

これは建築にも言えることだけれど、色々なものが豊富にあることが豊かなのではなく、要素を思い切って外すことによって、より豊かになるということもあるのだと改めて考えさせられました。
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「住みつづける家」-HP
かさべるで外観

僕の事務所のホームページに「住みつづける家」と言う、ページを新たに設けました。

今年の5月に「27年目のオープンハウス-かさべるで」と題して、僕が27年前に事務所を開設して初めて設計した、「かさべるで」と名付けた住宅のオープンハウスを行いました。
僕は、住宅と言うものは、竣工した時だけでなく、長い年月を掛けて、そこに住む家族と建物がどのようにかかわってゆくか、と言うことが大事なのだと思っています。
そこで竣工して27年目の住宅をネットで応募していただいた方達に、見てもらったのですが、幸いにも好評でした。
その時に、プロのライターの方にも見ていただいて、第三者の目で見て感じるままを書いてもらいました。その記事と、後で僕が撮った写真を合わせて、ホームページに新たなページを作ったのです。

建築雑誌等では、竣工直後の住宅の写真が、家具も荷物も何もない状態で掲載されます。
そこには、ほとんど人間の匂いがしないわけですが、それは少し違うのでは、と常々思っていました。
確かに、人が住んでいるところを公開したり、写真を撮らせてもらうことに難しいところもあるのですが。

ダイニングテーブル周り

今回も、申し訳ないと思いながら、写真を撮らせてもらいました。27年経っているので、当然建材の痛んでいるところもあるし、収納に収まりきれない荷物が居間にも台所にもあふれています。
その荷物をあまり整理せずに、写真を撮っていったのですが、結果的にその写真が、リアリティーがあってなかなか良いのではないかと思っています。

よろしかったらぜひアクセスしてみてください。
URLはhttp://www.pluto.dti.ne.jp/~kekojima/casa09/casa09.htm です。
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断熱工事-高田馬場の家
今日は高田馬場のリフォームの現場へ。

ファイバーセルローズ吹き込み工法

現場は壁の断熱工事が終っていました。今回使っている断熱工法は、ファイバーセルローズの吹き込み工法といわれているものです。
新聞紙などの古紙を、セルローズ状にしたものを、壁の中に吹き込んでゆきます。
メリットとしては、
① 圧縮空気で吹き込んでゆくので、壁の中に隙間なく充填されること。
② 古紙を使うので、エコで無公害であること。
③ 責任施工で工事の信頼性が高いこと。
④ 壁体内部結露を起こしにくいこと。
などですが、ディメリットとしては、
① コストが高いこと。
② 事前に壁の中に入る、電気配線、水道配管等を間違いなく施工しておかないと、後から訂正が効かなくなる。
などでしょうか。
今回はリフォームで壁の通気工法が取れなかった為に、内部結露を起こさないことが、一番の選定条件でした。

断熱詳細

吹込みが出来ない部分にも、ウール状の断熱材を詰め込んで、隙間が出来ないように気を遣っています。
天井は、天井を貼ってから、中に吹き込んでゆくようにします。今回は200mmの厚さで吹き込む予定。
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