仙台メディアテーク
先週の土曜日、山寺へ行く途中で仙台に寄りました。
伊藤豊雄さん設計の仙台メディアテークを見るのが目的です。
この建物が出来た時から、見に行きたいと思っていながら、なかなか仙台まで行く予定がないまま、今年で開館10周年になるそうです。
仙台メディアテーク

この建物のユニークなところは、なんといってもその構造。四角いガラスの箱の中の各階の床を支える柱が、細いスチールパイプを束ねたような形をしていて、しかもその柱が真っ直ぐに立っているわけではなく、自由に傾きながら、ばらばらに、大きさもまちまちに配置されているのです。
海草のような柱

一番最初の伊藤豊雄のスケッチを見ると、海に漂う海草のように、柱がゆらゆらとした線で描かれています。あくまでも柔らかく、自由に、建築と言う一見、硬いもののイメージに囚われずに。


この柱の中に、階段やエレベーター、設備の配管などが入っているのですが、単なる光の筒となっているところもあって、屋上のトップライトから光が注ぎ込んでいます。
ライトウエル

階段室の上から下を除くとご覧のとおり。
階段室を覗く

4階と5階がギャラリーになっていて、この日は市民美術展が開催されていました。作品のオブジェがなんとなく柱と似ているように見えました。
ギャラリー階

2階3階は図書館になっているのですが、基本的に間仕切りはなく、ワンフロアーワンルームですが、多くの人が思い思いに色々なところで本を読んでいる姿が印象的でした。
図書館フロアー

この建物の素晴らしいところは、その形だけでなく、市民が自由に参加できるプランになっているところにあります。建物いたるところで、ここでの時間をいかにも楽しんでいるという風な人々を見かけることが出来ます。
本を読む人

本当に市民に愛されている建築といえるようです。これが意外と難しいことなのですが、この建物は、軽々と、肩肘張らずに仙台という場所に溶け込んでいるように思えました。

僕は、この建物は日本を代表する建築といっても良いのではないかと思います。
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クローバーハウス-屋根断熱
今日は、午後からクローバーハウスの現場へ。

屋根断熱材

現場は、野地板が貼り終って、その上に外断熱となる、断熱材が貼り付けられていました。
現場に付いた頃に、ぽつぽつと雨が降り始めていましたが、午前中に、断熱材のジョイント部分に気密テープを貼っておいたということで、とりあえず、雨が入ってくることは防げる状態になっています。
屋根の工事を行う、板金屋さんが来ていて、屋根工事について打ち合わせ。

野地板を室内側から見る

室内側では、垂木と野地板が見えて、少しずつ形が見えてきています。

捻り金物

これは、台風の時などに、屋根が吹き上げられて、飛ばされるのを防ぐ為の垂木に付ける金物。その形から、「ひねり金物」と呼ばれています。
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category:建築現場
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山寺へ
週末、土日は山形県にある山寺へ行ってきました。

高速道路が1000円のうちに、行ってみようということで、息子と二人で、東北高速を使って、仙台経由で行きました。

この季節に北の方に行くのは初めてなのですが、季節が逆戻りするようで面白い体験でした。高速道路から景色を眺めていると、那須あたりでは、サクラが半分散り始めていますが、福島では満開、山形に入って天童では3部咲き、山寺は天童からすぐですが、高度が高いせいか、まだつぼみが開いていませんでした。

山寺遠望

山寺は、芭蕉の俳句「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」で有名ですが、寺院自体も山全体を寺領とする立派なものです。
山寺の駅から正面を眺めると、そそり立つような岩山に、さまざまな建物が散在しているのが見えます。

根本中堂

まず30mほど石段を登ったところにある、「根本中堂」や「日枝神社」をお参りして、鎌倉時代の建立といわれる「山門」をくぐると、急な石段が、そそり立つ杉の木立の間を縫う様に伸びて行き、心が引き締まる思いがします。

山門

ここから、頂上の「奥の院」まではこの石段を踏みしめながら、40分ほどの工程です。
お地蔵さん

途中には、建物だけでなく、数多くの石碑や、お地蔵様が両脇に並んでいます。二人並んで前掛けをかけてもらっている姿は、ほほえましい。

阿弥陀洞より仁王門を見上げる

しばらく上ってゆくと「仁王門」が見えてきます。門の両脇に仁王像と、閻魔の絵が飾られています。

仁王門

ここからが「奥の院」「大仏殿」「開山堂」「五大堂」など、十いくつの建物がある山頂領域の入口になっています。
開山堂より奥の院方向を見る

一番高いところにある、「五大堂」は絶好の展望台になっていて、はるか下方に麓の街が見えます。
山寺の町並み

山に囲まれ、川沿いの道に点在する、町並みは、建物こそ違うけれども、遠目には、何百年も変わっていない村の形を残しているように見えました。
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ザイフリボク
この間の日曜日に、11年前に設計した千葉市のお宅に、用があって伺ってきました。

5年ほど前に伺ってから久しぶり。建物は良い感じで、古くなってきていました。
特に庭の木々がずい分大きくなってにぎやかになっています。
お施主さんは、あまり手入れをしていないのですよ、言っていましたが、確かにだいぶ雑草がはびこっているものの、そういったことも含めて、この家らしい庭の育ち方をしているように思えます。
僕には、あまりきちっと手入れをされた庭よりも、少しラフで自然な感じの庭の方が好ましく思えます。

ザイフリボクの木

そんな中で、玄関脇に植えた「ザイフリボク」がずい分大きくなっていて驚きました。植えたときは、確か2mぐらいだったと思うのだけれど、2階の窓あたりまで延びて、丁度花の季節と見えて、白い花をいっぱいに付けています。
お施主さんの話では、玄関のガラスのコーナーから見る夜景がとてもきれいとのこと。又、毎年実がなって、それでジャムを作っているそうです。花と,葉を楽しんで、実が食べられるというのは良いですね。

アトリウムのゴムの木

中に入ると、1階のアトリウムでは、ゴムの木がずい分伸びています。これは新築祝いに、僕がプレゼントしたもので、当時は1mちょっとの高さだったと思うけれど、吹き抜けの空間を存分に伸びています。
ここに椅子を持ってきて、音楽を聴いていると、ジャングルの中で聞いているみたいで良いですよ、と言うお話。
住宅は、新築のときも良いけれど、少しずつ古くなってきて、又それで味が出てくるということも大事だと思います。人間も同じだけれど、上手に年を取ってゆくことは大事ですね。
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category:住宅
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クローバーハウス-垂木取り付け
今日は午後からクローバーハウスの現場へ。

垂木

現場は、おととい棟上を済ませて、今日は屋根の骨組みになる、垂木を取り付けています。
普通ですと、棟上の時に垂木まで工程が進むことが多いのですが、この現場では、垂木とその上に貼る屋根下地の、野地板を貼るまでに手間取っている理由があります。

面戸

ひとつは、垂木と垂木の間に、梁の上に「面戸」と言うものを取り付けているのですが、これが数が多いので、時間と手間が掛かっています。
この面戸を付けることで野地板の構造用合板で、屋根面を構造的に固めるようにしているわけです。

棟木の面戸

もうひとつ、今回は、野地板がそのまま天井として見えるようになるので、あまり雨に濡らしたくない。お天気の具合を見ながら、大工さんが野地板を張るタイミングを考えているようです。野地板は張った後にシートで覆って濡れないように考えてはいるのですが。

今日はお天気が良かったですが、こんな日が続いてくれると良いのですが。
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クローバーハウス上棟
今日はクローバーハウスの棟上の日。

棟の上がった現場

午後から現場に行くと、そんなに大きな家ではないので、すでに棟木が載せられていました。
大工さん、鳶など6人ほどで、2階の床合板を貼ったり、金物の取り付け、ボルト締めなどをやっています。
2階の様子

本当は、先週金曜日に上棟で、その後に上棟式をやる予定だったのですが、生憎の雨で(夜には雪に変わった)今日に延期になったものです。
幣束

そんなことで、お施主さんは、金曜日にお休みを取った関係で、今日は現場に来ることが出来ず、現場では仕事が終わった後に、棟梁と監督さんとで、建物の四隅にお酒と、塩と、お米を蒔いてお清めをしました。
お清め
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category:建築現場
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クローバーハウス-防蟻工事
今日は午前中にクローバーハウスの現場へ。

防湿シート

現場は基礎工事が終って、今日の午後から、基礎内側の防湿コンクリートを打つ予定なので、その前に白蟻の防蟻処理の確認等を行う為です。

防蟻材(アリダンサンド)

コンクリートの下になるように敷いた、防湿シートの中にベージュ色に見えるものが防蟻のための土壌処理剤です。
これは、珪砂に低毒性の薬品をしみ込ませたもの。基礎の際部分と設備配管周りに散布して、防湿コンクリートのすき間から、白蟻が床下に入り込むのを防ぐというもの。

あまり薬剤は使いたくないのですが、今回は防湿シートとコンクリートの下になるので、問題はないと判断しています。

アンカーボルトとホールダウン金物

基礎の上に飛び出しているものは、基礎と土台を緊結するアンカーボルトと、一回り太いものが柱を基礎に緊結するホールダウン金物といわれるものです。

いよいよ明後日が、上棟です。
お天気だけがちょっと心配ですが。
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博物館でお花見を
上野の国立博物館本館の裏に日本庭園があるのを知っていますか。

地図を見ると、そこにいくつかのお茶室もあるようで、前から気になっていました。
一昨日の土曜日に、ネットで調べてみると、「博物館でお花見を」と題したイベントで、一般公開しているとありました。
と言うことは、普段は公開されていないということ。これを見逃す手はないと、行って見ました。一人でお花見というところが、ちょっとさびしいのですが。

本館裏側を庭越しに見る

博物館本館の丁度真裏に、池を挟んで回遊するような形で、庭園があります。
池を挟んで、桜の木とともに、本館の裏側が見えます。この建物は、屋根さえなければ、そのままルネッサンス様式といっても良いのだけれど、そりのある瓦屋根が和風なので不思議な建築です。

池越しに転合庵を臨む

博物館側から見ると、池越しに茶室の建物が見えて、なかなか良い風情です。

転合庵

この茶室は、小堀遠州の転合庵といい、とても凝った建物でした。
軒のディテール

軒の作り方、母屋の出方、棟の納まりなど、見れば見るほど面白い。

六窓庵

こちらは、金森宗和の六窓庵。窓の配列の仕方がとてもきれいです。内部から、窓の様子を見たいところですが、雨戸が閉まっていて見られないのが残念です。

九条館

その他、茶室、「春草廬」、丸山応挙の壁画のある「応挙館」、京都、御所にあった九条家の屋敷を移築した「九条館」などの建物が、点在しています。

この催しは、18日の日曜日まで行われているので、興味のある人はぜひどうぞ。

サクラの絨毯

途中の道は、すっかりサクラの絨毯になっていました。
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「第四の手」
第四の手


ジョン・アーヴィングの「第四の手」を読みました。

アーヴィングの最近の小説は、主人公のアイデンティティーの喪失と、その復活がテーマになっていることが多いと思えるのだけれど、今回もそのように思えます。

テーマとしては、シリアスなのだけれど、アーヴィング一流のとっぴなエピソードと、ユーモアによって、読者には、それほど深刻な感じを与えない。
今回は、そのユーモアの度合いがいつもより勝っていて、ラブコメディーといった装いになっています。何しろ主人公は、テレビのキャスターでアンカーを務めている、もてもて男なのですから。

それでも、後半に入ってくると、話は少しずつ深くなってゆき、最後はハッピーエンドなのだけれど、アーヴィング独特の、哀愁に満ちた余韻を残すところはさすがといえます。

長編といっても、いつもほど長くはなく、読みやすいので、ジョン・アーヴィングを初めて読む人には、お勧めかもしれません。但しこれで、アーヴィングのファンになるか、拒絶反応を示すかはなんとも言えないところですが。
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ちょっと変わったサクラ?
昨日は、大阪から学生時代の友人が来ました。

彼が渋谷で計画しているビルの手伝いを僕がしているので、その打ち合わせと、その後、施主と工務店と設計者の打ち合わせ兼、初顔合わせと言うことで、江戸川橋にある工務店へ行きました。

早稲田大学の正門前の通りを行くときに、道路の両側に、ちょっと変わったサクラが咲いているのに気がつきました。
ピンクと緋色のサクラ?

桜並木と言うほど、密ではないのですが、小ぶりのサクラが点々と植えられていて、丁度満開に咲き誇っています。
その色が、ピンクの花の間に、濃い赤と言うか、緋色の花が混ざっています。ピンク8割に緋色2割といって感じです。
最初は、サクラの間に造花でも取り付けているのかと思ったのですが、ちゃんと同じ幹からピンクの花の枝と、緋色の花の枝が分かれているようです。さらによく見ると、八重の花で、ピンクと見える花の中にも、少し緋色の花びらが混ざっています。
八重の花びら


僕は初めて見ましたが、よく知られている品種なのでしょうか?
それとも、すっかりサクラと思い込んでいたけれど、サクラではないのでしょうか?
どなたかご存知でしたら名前を教えてください。
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category:日記
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7年目の「鷺宮の家」
昨日の日曜日は、7年前に竣工した鷺宮のお宅へ行きました。

ご主人の転勤にあわせて、一年間家族で地方での生活を経験して、先月帰ってきたところ。
この家の設計をしていた頃は、まだ結婚したてのご夫婦だったのですが、今ではお子さんも二人、来年は上の子が小学生と言うこと。
時間のたつのは早く、家族の生活はどんどん変わってゆくものですね。
と言うわけで、家族が増えて、収納が足りなくなってきているので、収納を増やすことと、自転車が増えてきたこと、ご主人のバイクも置きたいのでその辺の外構を直したいと言う話です。

仕事の話半分で、話題は、転勤中の生活に。
海と山に囲まれた、若狭湾沿いの町は、本当に良いところだったらしい。今でも夏には蛍が飛び交い、星が手に取るようにいっぱい見えるというのは、東京では経験できないこと。おかげで、子供達もずい分ワイルドに育っているように見えました。

家の中で、小さなヤモリがいたのを見つけて、ご主人が大事そうにしているのが印象的でした。
玄関の吹き抜けにスリット状に設けた窓にへばりついているヤモリはなかなか可愛らしいものです。
玄関吹き抜けのスリット
ヤモリのシルエット
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1984年
1984年ージョージ・オーウェル

ジョージ・オーウェルの「1984年」を読みました。「1Q84」ではありません。

村上春樹の「1Q84」は、このオーウェルの作品の題名をもじったものですが、内容的には全く関係はないと言われています。
しかし全く関係がないはずはなく、オーウェルの作品を読んでみると村上作品に近い雰囲気を感じます。それは、現実とは何か、人間が存在しなくても、客観的に現実が存在するのか。又は、現実は人間の心の中にあるのか、といった問いかけ。言いなおしてみれば、世の中に起こっている事象と人間との関係は絶対的なものなのか、相対的なものなのかと言う問いかけなのかもしれません。

小説の舞台は、オセアニアと言う全体主義国家。ナチスドイツ、ソ連よりもさらに進化した一党独裁の国家と言う設定です。
国民の生活は全て国家によって統制されており、党の発言だけが真実とされています。「真理省」に勤める主人公ウインストンは、現実に合わせる為に、絶え間なく過去を書き換える仕事をしています。つまり、党が発言し、行うこと、又その結果に間違いは絶対なく、つじつまの合わない場合は、過去の記録が間違っているということになるわけです。
密かに党に疑問を持つウインストンは、やがて秘密警察に捕まり、徹底した洗脳が行われます。その洗脳の仕方がすさまじい。ウインストンはやがて、何が真実なのか、架空の出来事なのか判断が出来なくなってしまいます。

この小説が発表された時は、冷戦のさなかで、反全体主義、反共産主義のバイブルのように読まれたと言うことですが、ナチはもちろん、ソ連も崩壊し、中国もずい分変わりました。
そんな中で、我々がこの世界に一番近く感じるのは、北朝鮮のような気がします。
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