馬頭広重美術館
昨日は思い立って、栃木県那珂川町にある、馬頭広重美術館へ行ってきました。

この美術館は、建築家、隈研吾の設計で、10年ほど前に出来たもので、前々から一度行こうと思いつつ、なかなか行く機会がなかったものです。
地震で大変なときにとも思ったのですが、こういうときこそ、あまり縮こまっていてもと、思い切って行ってみました。
途中の東北自動車道では、自衛隊の災害支援車両に何台も合いました。ご苦労様です。

格子に覆われた外観

細い木材の格子で、壁も屋根も覆った、独特な外観は、10年の間にだいぶ色あせていましたが、雨の当たらない内部は、きれいに保たれていました。

エントランスホール
この建物は、展示室以外はガラス張りなのですが、その外側を木の格子スクリーンで覆っているために、そのようには見えません。
内部には格子越しに調整された光の入り方が、とても美しい。

アプローチ

建物のエントランスは裏の庭へ吹き抜けになっていて、裏側をぐるりと回りこんだところに入口がある手法は、最近の根津美術館などでも使われています。ストレートに入らずに、エントランスのアプローチを長くとる、日本の伝統的な手法を取り入れているともいえます。

展示は、歌川広重の浮世絵が中心です。東海道の宿場、富士山を描いたものなど、広重の絵は、実物を見ると、空と地平線の光の移ろい方が印象的でした。

喜連川の野菜

帰りに、喜連川の道の駅で、野菜をいっぱい買いこみました。
ナス、菜の花、ウド、きのこ、アスパラ、ラディシュ、トマト、とちおとめ、どれも安かっただけでなく、とても新鮮で、晩御飯においしくいただきました。
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村上春樹 「雑文集」
雑文集

村上春樹の「雑文集」を読みました。

これは、村上春樹の今までに未発表だったエッセイや、本の序文、挨拶文や授賞式でのスピーチなどを集めたものです。
小説家となった、ごく初期のものから、最近のものまでかなりの数の文章が載っていて、村上ファンには、なかなか読み応えのある本になっています。

それにしても、村上春樹の文章は、どうしてこんなに読みやすいのでしょうね。書かれていることに、いちいち、そうそう、確かにそうだよなー、とうなずいてしまうのが不思議です。
もっとも、村上春樹の嫌いな人から見れば、なにをつまらないことを言っているんだ、と思えるのかもしれませんが。

一番最初の文章、小説家とは何かに対する答えが、村上春樹の小説に対する考え方を、端的に語ってるように思えます。
小説家とは何か、「小説家とは、多くを観察し、わずかしか判断を下さないことを生業とする人間です。」
「物語を作り、描写する為には多くの正しい観察が必要であり、物語の最終的な判断を下すのは常に読者である。」

これは、一読者としては、非常にわかりやすい説明だと思います。
読者である自分が積極的に、物語にコミットしなければ、その中に入り込めないし、物語に入り込めなければ、そこには物語に感動したり、共感することもない訳です。
村上春樹の作る物語は、僕にはコミットしやすいし、多くの人がそう思っているから、これだけ世界中に多くのファンを持っているのだと思います。

この本を、一通り読み終わって思うのは、人間の思考の基本的なところは、30年経ってもあまり変わらないものだということです。その、思考の基本的なところを信頼できると思うからこそ、長年、その人の作品を読み続けられるのだとも思います。

その様な作家を、何人か持っていると言うことは、読書を趣味とするうえで、とても幸せなことに思えます。
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ビルトイン洗濯機-雑司が谷のマンションリフォーム
昨日は、雑司が谷のマンションリフォームの現場が、浴室と洗面室の工事が昨日でほぼ終了なので、見に行きました。
現場では、丁度、収納家具の中に洗濯機を納めている所でした。この洗濯機は、家具の中にビルトインできるタイプで、イタリアのマルバー社製のもの。
マルバー、ビルトイン洗濯乾燥機

ビルトインできる洗濯機は、以前は国産のものもあったのですが、今ではヨーロッパのものしか無くなってしましました。エレクトロラックスのものが良く使われていますが、値段の高いのが難点で、このマルバーのものはそれよりは安いので、今回採用しました。

とはいえ、国産の乾燥機付き洗濯機よりは値がはるので、設計中はお施主さんと一緒にだいぶ悩んだ所です。
それでも使ってみたいと思った理由は、デザイン的にきれいと言うこともあるのですが、コンパクトで場所を取らないことが一番の理由でした。
国産の洗濯機は、昔と比べるとずい分大きくなってきて、日本の狭い洗面室では、見た目も、実際に置くスペースにも困ります。ましてや、マンションの場合は、スペースが限られているので、結構大きな問題となります。性能的にはずい分よくなっているのでしょうが、もう少しコンパクトに、すっきりした形に出来ないものかと思います。
このマルバーは、15年ほど前に一度使ったことがあるのですが、そのときとサイズもデザインも変わっていません。この変わらないということが、ヨーロッパの家電の良いところだと思います。大きさが変わらなければ、何時か買い換えるときも、同じ場所に納まるわけなので、安心できます。
日本の家電はどうして毎年毎年モデルチェンジするのでしょうね。設計する側としては、大きさが変わるので、ついつい、余裕を持ったスペースを用意しなければならず、ミリ単位で寸法を決めるような、小住宅の場合はそのスペースが馬鹿になりません。
きちっとしたスタンダードを作って、良いものを長く作り続けるようにしてもらいたいものです。
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イスが壊れて考えたこと
壊れたガーデンチェアー

昨日は良いお天気で、ずいぶん暖かいし、神さんも珍しく仕事が休みだったので、コーヒーでも入れて、久しぶり庭のテーブルで飲もうと用意をしました。

しばらく座っていなかった、庭のイスに腰をかけて、背もたれに力を入れたら、バッリと音を立てて、背もたれが砕けてしまいました。
そんなに力を入れた訳ではないのですが、プラスチックのイスは、だいぶ劣化していたのでしょうね。10年近く前に買って、一年中、雨に日にさらされているので無理もないと思います。プラスチック類は、水よりも、紫外線に弱いと言われています。

しかし、桧の板で作ったテーブルの方は、もっと古く15年ぐらいは、雨ざらしの状態で使っているのにほとんど痛んでいません。
このテーブルは、近くの工務店で、一等材といわれる、節のある安い桧の板を用意してもらって、自分で釘を打って作ったもので、簡単なものです。確か材料代8000円ぐらいでした。これに、オスモ社のカントリーカラーと言う、天然系塗料を自分で塗ってみました。5年に一度ぐらい塗り替えて、そろそろ今年も塗り替えようと思っているところです。

桧の木が、雨ざらしの状態で、どのくらい持つものなのか、実験してみようと言う気持ちで、やっているのですが、定期的にメンテナンスをすれば、案外丈夫なものだとわかりました。
テーブル面のような、水平部分は雨に対して、一番傷みやすいところですから、家の壁のように垂直面であれば、もう少しメンテナンスの期間を延ばしてもだいじょうぶではないかと思います。

都会では、防火などの制限で、木の外壁は使用が難しいところがありますが、屋根の庇をしっかり伸ばして、壁を守るような作りになっていれば、木の壁は、人工的な材料よりも耐久性に優れているのではないかと、今回のことで改めて考えました。
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category:住宅
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55/58年館の署名提出
今日は夕方、法政大学へ55/58年館保存の署名を届けて来ました。

市ヶ谷キャンパスにある、大江宏設計の55/58年館を解体すると言う話を聞いて、「法政大学55/58年館再生を望む会」を結成したのが、5ヶ月前。その後色々な運動をしながら、署名をお願いしてきました。
その署名が1200余りになったので、大学に手渡してきたわけです。総長には会えませんでしたが、総長室長が丁重に対応してくれて、しばらく話をすることも出来ました。
とは言っても、解体・新築の計画は変わっていないと言うことで、これからも厳しい運動になりそうです。

この地震で、55/58年館の一部でガラスが割れたりしていると言う情報が入っていたので、帰りに見に行ってみましたが、見たところは特に変わった様子はありませんでした。

月下の55/58年館

丁度、日が暮れ始めて、月が昇ってきた景色のきれいだったこと。同行していた女性が、まるで宝石のようと、言っていましたが、本当に美しい建築です。
絶対に壊さないでほしい!
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category:建築
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改めて地震の恐ろしさ
今回の地震の当日から、翌日夕方まで家に帰れず、地震の情報はもっぱら、ラジオとインターネットと言う状態でした。
それでも、刻々と伝わってくるニュースによって、事態の深刻さは良く解かるのですが、家に帰り、テレビの画像を見て、津波の映像には圧倒されました。
僕は普段はあまりテレビを見ないほうですが、こういう時のテレビの情報量は、やはり他のメディアをしのぐものがあると思います。
かろうじて高台に避難して、自分の家や町が、津波に流されてゆくのを見ている人たちの、恐怖感と、無念さは察して余りあるものがあります。

阪神淡路大地震の時は、大都市での直下型地震で、大きな被害が出ましたが、今回はだいぶ様子が違うようです。
陸地から離れた、太平洋で巨大な地震が起きたために、被害を受けた地域が広範に及び、特に津波の被害が甚大なものになっています。

改めて、自然の力の前では、人間の力の無力なことを思い知らされた気がします。
まだまだ救助を求めている人が大勢います。一刻も早く救助が進んで、余震も収まり、事態がよくなることを願っています。
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category:日記
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帰宅難民
昨日の地震はすごかったですね。

事務所で仕事をしていたのですが、だんだん揺れが大きくなってきて、自分が設計した建物だから大丈夫と思いつつも、たまらず表に避難しました。
事務所の前の道路では、通行中の人も足を止めて、不安そうな顔をいます。さらに揺れが大きくなって、周りの家から色々な音が聞こえてきます。お年よりは足っていられなくなり、道路に座り込んでいました。

揺れが収まって、事務所に戻ると、フローリングのサンプルが2、3枚落ちていただけで、無事でした。
僕が今までに経験した一番大きな地震でしたが、それでもこの程度、東北地方の人たちは本当に大変だったことと思います。

夜に入って、JRが全面ストップで、運転の見込みがないと情報があり、帰宅は無理なことが解りました。
事務所に泊まれば良いと思ったのですが、隣に住んでいる、事務所の大家さんが泊めてくれることになって、とても助かりました。
昨日は、夜12時ごろになっても、車は渋滞して、まだまだ大勢の人たちが帰宅のために歩いていました。
東京は建物の被害は、ほとんど無かったので、まだ歩いて帰ることも可能ですが、もっと被害の出ている状態だったらと思うと、想像を絶するものがあります。

今朝は、コンビニでサンドイッチでも買ってきて、朝ごはんにしようと思ったのですが、さすがにサンドイッチもお弁当の棚も空っぽでした。かろうじて残っていたカップヌードルを買ってきて朝食を済ませました。

JRは、運転再開しているようですが、もう少し落ち着いてから帰宅しようと思っています。
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category:日記
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雑司が谷のマンションリフォーム―解体工事
雑司が谷のマンションリフォームの工事が、今日から始まったので、午後から現場へ行ってきました。

今回は、浴室、洗面室と、キッチンをリフォーム。同時に工事をすると、水回りが全く使えなくなってしまうので、まずは、浴室と洗面室を仕上げて、その後にキッチンと言う段取りです。

朝から解体工事を始めて、ぼくが行った時には、きれいに解体されていました。
一番気になっていたのは、元の設備の配管工事がどうなっているかと言うことだったのですが、サヤ管ヘッダー方式で、きれいな工事がしてありました。
解体の終った、浴室と洗面室

これで、明日には設備業者が入って、新しい機器に合わせて、配管の移動を行い、明後日には新しいユニットバスが設置されます。

平行して、取り付けられる家具類が、家具屋さんの仕事場で製作中なので、そちらの様子を見に行きました。
洗面の家具は、すでに出来上がっていて、キッチンの家具を職人さんが作っているところでした。
キッチン家具の製作

このキッチンは、扉を赤のメラミン板で作る予定です。真紅と言うか、ローズマダーと言う感じの色です。赤だけで作るのに、少し抵抗があったので、扉の縁を7mmの見付で細い木の枠を廻すことにしています。赤の色に合う木を「マカバ」と言う木で考えていたのですが、ずいぶん値の張る木だということで、家具屋さんの提案で、「モアビ」に変えました。サンプルを見せてもらいましたが、少し赤みがかかって、赤いメラミンと良く合いそうです。
どんなキッチンになるのか、これからが楽しみといった所です。
家具の作業場
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家の記憶写真
設計中だった、「根岸の家」がようやく建設会社も決まり、昨日、お施主さんと建設会社へ出向いて、工事契約を済ませました。

早速明日から、既存住宅の解体工事が始まります。
そこで、お施主さんから、解体の前に記念のために写真を撮ってくれないかと、頼まれました。
子供の頃から50年近く住んでいた家ですから、いざ解体するとなると、さびしい気持ちになるのも良くわかります。
と言うことで、今朝は雪の中、写真を撮りに言ってきました。
すでに、解体業者が、明日の解体に向けて、準備をしている所なので、三脚を据えてゆっくり写真を撮るというわけにも行かず、レンズだけは19mmの広角レンズを付けて、手持ちで録りました。シャッタースピードが1/5秒位と、手持ちで取れるスピードではないのですが、息を殺して、何枚も録っていると、比較的ぶれない写真が取れているものです。

茶室内部
2階和室
元々戦前から建っていた住宅で、和室などはなかなか凝っています。

変わった畳

2階の和室の畳が、面白かったのでアップで撮って見ました。1cmぐらいのピッチで、畳の目の折り方を変えているので、細かな市松模様に見えます。畳の目も普通よりも細かく目が積んでいます。
僕は初めて見る畳だったので、工務店の監督さんにも聞いてみたのですが、彼も見るのは初めてだそうでした。

だいぶ枚数を撮ったので、時間が出来たら、まとめてアルバムにして、お施主さんにプレゼントしようと思っています。

帰りの鶯谷の駅で、鶯を見かけました。
うそのような話ですが、本当です。
鶯谷のホームの西側は、谷中の墓地の石垣が続いていて、そこに植えられたつつじの木に、小鳥が動いているのが見えました。最初は雀かと思ってのですが、色が薄い鶯色をしています。まだ寒いので鳴きませんでしたが。
鶯谷の駅では、スピーカーから鶯の鳴声が流れています。こちらは偽物ですが、本物もいるんですね。
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category:住宅
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成田の現場-部屋の仕切り
昨日は、成田のリフォームの現場へ行きました。

間仕切り壁

この家は2階にキッチンとダイニング、リビング、そして階段を挟んで9畳ほどの広さの子供のスペースがあります。
この家を最初に設計した頃は、お子さんも幼稚園と、幼稚園へ上がる前の二人の女の子でした。二人とも女の子だし、自分の部屋がほしくなるまでは、まだ10年かかりますよ、と言うことで、将来は2部屋に仕切れるように考えて、とりあえず広く使えるように考えました。しかも、キッチンから見えるようにして、ドアも付けずに、かなり開放的な、子供コーナーといった感じです。当初は、大人も子供も、1階の広めの寝室に川の字で寝ていました。
しかし結局、10年どころか、20年を過ぎた今でも、そのまま使っていて、すでにお子さんは、1人は独立して家を出て、もう1人のお子さんは1階の部屋を使っています。
そこで、この部屋を半分に仕切って、南側をご主人の書斎に、北側を納戸に使うように今回工事をしているわけです。
設計当初考えていたような、使われ方ではありませんが、家族の変化に伴って、住宅の使い方は変わって行くものですね。その変化の仕方は、なかなか予測できないものですが、この家の場合、2階の空間はあまりきっちっと作りこまないで、なんとなく全体がつながっているような作り方にしておいたので、それだけ変化にフレキブルに対応出来たのだと思います。
住宅の設計は、出来上がったときだけを考えるのではなく、20年、30年先を考えなくてはいけないとは、よく言われることですが、なかなか難しいことでね。
20年前に自分が設計した家を、こうしてもう一度手を入れてみると、一軒の住宅も、色々な歴史を積み重ねてきたんだなーと、感慨深いものがあります。
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インターンシップ
今日から3月いっぱいの予定で、インターンシップの学生、A君が事務所に来ています。

本人は、最初の内は、緊張していたようですが、夕方にはだいぶ慣れてきた様子です。
本人も緊張するかもしれませんが、実は、こちらも結構、緊張すると言うか、気を使います。
数日前から、一ヶ月間のプログラムを考えて、あれをやってもらって、次はこれをと、ああだこうだと、
考えています。

事務所は、根岸の住宅が工務店も決まって、近く工事契約、来週から解体工事に入る予定なので、とりあえず、A君に図面の製本を頼んで、その間に実際に工事にどんな図面を書いているのか、理解してもらえればと思っています。

今週から、成田の現場が始まって、来週からは、雑司が谷のマンションリフォーム工事が始まります。
成田は少し遠いけれど、雑司が谷は、ここから歩いてゆける所なので、時々A君も連れて行って、現場を体験してもらおうと考えています。
ここのところ、毎年、春休み、夏休みにインターンシップの学生を受け入れています。結構大変な所もありますが、少しでも役に立っていればよいのですが。
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