仕事納め
昨日で僕の事務所は仕事納めでした。
午後から大掃除をして、年賀状の残りを書いて、書類関係を整理して年明けすぐに仕事にかかれるように準備をしてとりあえず年内の仕事は終わりにしました。

今年は「内外装材活用シート」と言う本を出したことをきっかけに、住宅の設計を今までとは意識的に少し変えてみようと考えました。大きく変えるわけではないのですが、今まで使っていた材料をもう一度選びなおして、新しい試みにも挑戦しようと考えています。
何度も使って信頼できる材料もよいのですが、少しずつ新しいものも試してゆきたい。
また、自然エネルギーの利用と言うことで、太陽熱を利用したパッシブソーラーの暖房システムも検討中です。

来年は、これらの経験を元にさらにデザインの考え方を進めて行けるように努力したいと思っています。
年末の朗報としては、その「内外装材活用シート」の改訂版がオールカラーになって6月に出ることになりました。これから内容の見直し、改定の作業が待っているのですが、出版社がこの本を建材選びの定番本として売り出してゆこうと考えてくれたことはうれしい限りです。

昨晩は、その本の著者グループの忘年会もありました。著者のSさんと、Oさんが主催する事務所で、音楽好きの仲間も集まって、プロ顔負けのライブ演奏もあり、夜遅くまで楽しい忘年会でした。
Sさんと、Oさんのデュエット

ヘルメッツラボの忘年会

いよいよ明日で今年も終わりますが、皆様よいお年をお迎えください。
来年もこのブログで日々の出来事を書いてゆきたいと思いますので、またよろしくお願いします。
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今年最後の現場
昨日は上尾のリフォーム工事、今年最後になる現場会議でした。

外部は、モルタルが塗り終わっていました。屋根は元の瓦のままですが、壁はほとんど一度解体して新たにモルタルを塗り、年が明けてからこの上に仕上げ材を吹き付けるようになります。
外部モルタル塗が終わった外観

内部も先週で壁の断熱工事が終わり、天井の下地になる、天井野縁が組まれています。
内部の状態

壁の一部が飾り棚のニッチになるところも断熱が施されて、カウンターが付いています。
ニッチ飾り棚部分

サッシ周りの細い隙間部分はセルロースファイバーの施工ができないので、大工さんにパーフェクトバリアという断熱材を少しずつ詰め込んでもらうようにしています。
パーフェクトバリアの詰め込み

サッシの枠とカーテンボックスは、ブナ材(ビーチ)で作っています。ビーチは今回初めて使う材料ですが、目の大人しい、上品な感じの木です。独特の斑が入るのが特徴です。
ビーチ材のサッシ枠とカーテンボックス

和室では大工さんが、コーナーの柱に、付け柱をかぶせていました。和室は真壁と言って柱を化粧で見せるのですが、もともと和室ではないところで、柱がきれいではないので上からL型に加工したヒノキをかぶせています。
付け柱の施工

床柱には落とし掛けと、壁下地の石膏ボードが取り付けられていましたが、柱が天然の丸太なので大工さんはだいぶ苦労したことと思います。
落とし掛け

これで年内は終わりで、年明け6日からまた現場が始まりますが、順調に工事が進んでいるので安心して新年が迎えられそうです。
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category:建築現場
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「そよ風」シュミレーション
前回,Q値計算をした後に、パッシブソーラー空調システムの「そよ風」の集熱量と補助熱源の計算をしてみました。

「そよ風」というのは、屋根の鉄板の下で高温になった空気を集めて、いったんダクトで床の下に送り込み、基礎のコンクリートに蓄熱しながら部屋の中を循環して暖房するシステムです。「OMソーラー」として20年ほどの実績のあるシステムを改良したものです。

現実の状況に近づけるために、その建物の建設地の気象データを用います。今回は神奈川県逗子市なので比較的近い三浦市のデータを用いました。各月、各時間の外気温、太陽の日射量などが記録されています。
これに屋根の面積、角度などを入れて、どのぐらいの熱量が取り入れられるかを計算します。さらに先ほどのQ値を入れて、室温を保つためにこれだけで足りているのか、補助暖房がどれだけ必要なのか、などを計算します。今回は人が起きている時間帯で室温を20℃、寝ている時間帯を14℃に設定して計算してみました。

計算の結果は、一番気温の下がる、12月、1月、2月で暖房エネルギーの25~30%を太陽熱で補うことが出来、その前後の11月、3月では50~55%をおぎなえるということになりました。
もちろんこれは晴天のときの結果で太陽が出なければゼロになってしまいます。思ったよりも熱量が少ないような気がしましたが、メーカーに問い合わせたところでは、このソフト自体が実際よりも控えめな数値になる傾向があり、現実はもう少し良いのではないかということです。

集熱できない時間帯の必要熱量が大体3000Kcalぐらいなのですが、このシステムの補助熱源が4000Kcalありますので、計算上はこれで足りることになります。
ただ、夏の冷房もありますから、小さなエアコンを1階と2階に一台ずつ入れればよいということになりそうです。
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Q値を計算してみた
設計中の逗子の家で、Q値計算というものをやってみました。

Q値といっても専門家でないと知らない人が多いと思いますが、建物の断熱性能を示す値で、熱損失係数といいます。
一軒の家の中と外の温度差が1度のときに、床面積1㎡当たり1時間で外に逃げてゆく熱量を表しています。単位はW/㎡k。またはKcal/㎡h℃(どうも僕はまだKcalのほうが分かり易い)
どのような計算をするかというと、家のすべての壁、窓、床、屋根(天井)の熱の逃げる量(熱貫流率)を積算していって、床面積で割ります。これが結構大変な計算になります。
建築を構成する部材はものすごく多いので、大変手間のかかる計算になるからです。

逗子の家では、「そよ風」という屋根の熱を利用したパッシブソーラー暖房を検討しています。そのシュミレーションソフトをメーカーから提供してもらったのですが、その中にQ値計算ソフトが入っていたので、パソコンで計算してみたわけです。
そもそも、このシュミレーションを行う前提として、正確なQ値を知る必要があるわけです。

壁、床、窓、天井の構成する部材それぞれの熱抵抗値と厚み、面積を入れるとパソコンが自動計算してくれます。

その結果は、2.13Kcal/㎡h℃でした。ちなみに国の基準である次世代省エネ基準が神奈川県(区分Ⅳ地域)の2.32を上回り、もう少し寒いⅢ地域の2.06に近い数字です。(数字が小さいほど性能が高い)

これを実際の状況に当てはめてみましょう。外の気温が5℃で室温を20℃に保つとするとその温度差は15℃です。この家は床面積が115㎡ですから、2.13に15と115をかけた数字、3.674kclが外が15℃のときに20℃に保つために必要な熱量ということになります。
一番小さなエアコンを1階と2階ににそれぞれ1台あればよいという感じでしょうか?

こうやって計算してみると、家の部材の構成による断熱の様子がよくわかります。
この後、パッシブソーラーで、この熱をどれだけ補えるかという計算をしたのですが、そのことは次回に書きたいと思います。
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上尾の家Ⅱ-床柱
昨日は、上尾のリフォームの現場へ行きました。

以前に銘木店で選んでおいた床柱が取り付け終わっていたので、大工さんとそれを見ながら打ち合わせをします。
床柱に使っている木は、赤松の丸太です。四角い柱と違って、相手が円いので畳寄せとの取り合い、壁との取り合いに微妙なところが出てくるので、細心の注意が必要なところですが、大工さんもよく解っていて、ほぼ大工さんの考えで進めるようにしました。
床柱

材木店で見るときと、実際に現場に立っているのとではまた、少し感じが変わりますが、とても良い感じになりそうです。
床の間のある和室をやるのは久しぶりですが、床の間のある部屋というのはやはりよいものですね。出来上がるのが楽しみです。
赤松皮つき丸太の断面

切り取った残りが置いてありましたが、年輪が密できれいな形をしていました。この辺にも木の素性と言ったものがありそうな気がします。

セルローズファイバーの吹き込み

その日は、同時に壁の断熱材、セルローズファイバーの吹き込み工事をしていました。
あらかじめ柱の間に張っておいた紙に穴をあけて吹き込んでゆきます。手前側が吹き込み終わったところで、穴をテープで塞いでいますが、中にセルローズファイバーが十分に充填されていることが確認できます。この断熱の良いところは、隙間なく充填されるところにあります。
現場は、かなりの埃が舞っていて、現場で用意をしてくれたマスクを着用しての打ち合わせでした。(吸い込んでも人体に害はないということですが)
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高須賀晋図面展
スコットホールギャラリー

事務所からも近い、早稲田奉仕園のスコットホールで、建築家、高須賀晋の図面展をやっているというので、お昼休みを利用していってきました。

会場入り口

高須賀さんは2年前に亡くなられたそうですが、高須賀さんの関係者の方たちがこの展覧会を開かれたそうです。
スコットホールの一階ギャラリーはそんなに広くないので、展示されている図面は限られていますが、パソコンで画いたCADではなく、和紙に鉛筆で書いた手書きの図面はとても美しいものでした。
手書きの図面には、その人の個性が出ると言われますが、鉛筆の線は柔らかく、設計された建物の雰囲気が良く伝わってきます。

高須賀さんと言うと、僕たちは70年代に三宅島に建てられた「生闘学舎」が思い浮かびます。枕木を5000本、レンガを積むように積み上げて作った大変迫力のある建物で、建築学会賞を受賞しています。
そのほか、屋根の形が印象的ないくつかの住宅も、図面で見ると実に細かいところまで気配りがされているところが印象的でした。

煉瓦のアーチのあるギャラリー内部

スコットホールのギャラリーは、半地下にあるのですが、レンガを積んだいかにもイギリス風のインテリアは、高須賀晋の建築に良く似合っているように思えました。
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デッキの塗装
今日はお天気もよかったので、念願の我が家のデッキの塗装をしました。

我が家のデッキは、10年前に家の外装をリフォームしたときに作り直しました。アイアンデッキという南洋材のデッキ材を使っています。たぶんメーカーがつけた名称だと思いますが、ジャラやセランガンバツなどと同じ重くて硬いしっかりした木です。

10年たっても強度的にはほとんど問題ない状態ですが、雨が直接当たるところはだいぶ変色してカビが生えたのか黒くなっています。このままほっておいて、耐久性に問題が出てくるといけないので自分で塗るつもりで、塗料を取り寄せました。
オスモ・ウッドステインプロテクター

塗料は、オスモ社のウッドステインプロテクターという、外部用の木材保護塗料です。ちょっと高い塗料なのですが、設計事務所価格ということでだいぶ安くしてもらいました。この辺は役得ですね。

塗装に先立って先々週に、同じオスモ社のウッドリバイバーを使ってクリーニングを済ませています。
クリーニングが終わっているので、塗るだけならばすぐ終わると思ったのが大間違い。
木が古くなって、表面が荒れているので塗料の吸い込みがよく、塗っても塗っても塗料が伸びないのです。
塗装中

それでもやっているうちに要領がわかってきましたが、予定通り2回塗りが終わったのは、夕方になってしまいました。

思ったよりもハードな作業でしたが、自分の家を自分で手入れするのは、楽しいことです。春になったら2階のベランダの手すりや柱も塗ろうと考えています。
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上尾の家Ⅱ-断熱工事打ち合わせ

昨日は上尾の家、リフォームの現場へ行きました。

この家の断熱工事は、床が発泡フェノール樹脂、壁と天井がセルロースファイバーの吹き込みで行っています。
床の発泡フェノールはご覧のように床の下、根太と根太の間にすでに施工されています。
床下の断熱材

壁のセルローズファイバーは来週施工の予定なのですが、断熱工事の担当者が事前の打ち合わせに来ていました。
セルローズファイバーと言うのは、新聞紙などの古紙を繊維状にしたものを壁の間や天井裏に吹き込んでゆくものです。
断熱性能としては、ロックウールなどと同じぐらいですが、壁の中に隙間なく充填されるので信頼性が高いと言えます。
施工が終わってから、壁の中に電気の配線を入れたりできなくなりますから、事前に電気、設備の工事を終わらせておくこと、細かな断熱の納まりをチェックしておくことが必要になります。
建物は単純に四角いとは限らないので、結構断熱工事の落とし穴になるところがあるものです。それはどんな断熱の仕方でも同じなのですが。

コンセントボックスの気密カバー
写真はコンセントボックスにセルローズファイバーが入り込まないように気密カバーを取り付けたところ。

外では、サッシを大きなものに取り換えるところで、大工さんが壁を電動カッターで切り取っていました。
既存サッシの取り外し
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ホームページを更新しました。
久しぶりにホームページを更新しました。

もう少しまめに更新をしないといけないと思いつつ忙しいことを理由に延ばし延ばしにしていました。
根岸の家が完成したので、「作品集」のページに掲載しました。
コンクリート3階建ての2世帯住宅です。

屋上庭園より中庭を見る

東京の下町で、周りには5階建てほどの小さなビルが並んでいて、決してよい環境とは言えませんが、中庭を取り、屋上庭園を造り、なるべく自然な暮らしができるように工夫を凝らしたつもりです。
よろしければぜひのぞいてみてください。
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上尾の家Ⅱ―打ち合わせ風景
一昨日は、毎週火曜日に定例打ち合わせのため、上尾の家の現場へ行きました。

現場には床暖房のメイン管の配管をやっていたので、床暖パネルの敷きこみ範囲の微妙なところを打ち合わせしました。たとえば、キッチンカウンター下はつま先が冷たいといけないのでぎりぎりまでパネルを入れようとか、作り付けダイニングテーブルの脚の部分は逃げるようにと言った、最初の図面では解りにくいところです。

壁天井の断熱業者と断熱の取り合いについても打ち合わせ。今回はセルロースファイバーと言う、古紙の再生品を壁と天井に吹き込むのですが、埋め込み照明器具、設備ダクトなどの取り合いがあり、施工の順序もあるので事前に綿密に打ち合わせました。

大工さんは3人入って、床の下地になる根太の施工がほぼ終わっていました。
床根太の施工

材木店の担当者が来たので、監督、大工とドア枠、和室の材料の寸法などを詳しく打ち合わせました。
特に和室の材料に関しては1mm単位の細かな寸法の調整が出てくるので、結構長い打合せが必要でした。
監督・大工・建材担当の打ちわせ風景

監督さんや大工さんが持っている図面には、元の設計図に自分なりの要点が赤いペンでびっしり書き込んであります。
書き込みのある図面

最近ではメールに図面をPDF化して送ったり、直接顔を合わせなくても打ち合わせする手段はいろいろありますが、最終的にはこのように顔を突き合わせて、現物を見ながらの打ち合わせがどうしても欠かせないものだと思います。
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category:建築現場
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暑い!
居間の奥まで光が差し込む


我が家は、冬のこの季節お天気が良いと午前中の室温がすごく高くなります。
昨日は暖房なしで、10時ごろの室温が25度になって、暑くて半袖のTシャツで過ごしていました。
ところが午後になると一転して室温が下がってきます。

我が家の居間は南面がほぼ全面ガラスなので、冬の太陽は部屋の奥まで差し込んで温室状態になるのですが、悲しいことにそのガラスが古いままの一枚ガラスなので、せっかく温まった空気があっという間に逃げて寒くなってしまうのです。

このことから、簡単なパッシブソーラーの原理がわかります。南面の大きな窓から太陽光をいっぱいに入れて、太陽熱を十分に取り入れる。(ダイレクトゲインと言います)その熱を逃がさないように窓も含めた断熱性能を上げる。そして吸収した熱を蓄えるために比熱の高い部分を作る。コンクリートやレンガなどの部分が家の中の日当たりの良い部分にあると良いのですね。

我が家もいつかガラスをペアガラスに変えたいと思っています。

ちなみに、夏は庇が長いので、ほとんど太陽光が入ってこないため、我が家は至って涼しく過ごすことができます。
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バット・ビューティフル
バット・ビューティフル

バット・ビューティフル(ジェフ・ダイヤ―著、村上春樹訳)を読みました。

これはジャズとは何か?について書いた本です。
とはいっても、ジャズとは何かを説明しているわけではなく、7人のジャズプレーについて物語ることによって、ジャズとは何かを表現していると言ったらよいのでしょうか。
7人のジャズメンは、レスター・ヤング、セロニアス・モンク、バド・パウエル、ベン・ウエブスター、チャールズ・ミンガス、チェット・ベーカー、アート・ペッパーです。
これらのジャズメンを描いていながら、必ずしもノンフィクションではなく、大方事実に基づいているのだろうけれど、自由に著者の想像力を働かせて話を作ってゆくように思えます。
文章は、的確だけれど詩的で、モンクの音楽を知っていれば、モンクは確かにそんな男だろうとか、ミンガスの音楽を考えればそんな時にミンガスはそのような振る舞いをするだろう、と言うことが自然と納得できるような書き方です。

あとがきで著者は、ジャズという音楽は文章で批評することが難しい音楽で、優れたジャズ評論というのはほとんど見当たらないと書いています。と言うのは、一つの演奏は常にほかのプレーヤーの演奏によって批評され、そのようにしてジャズは常に新しいスタイルを生み出してきたと述べています。
そこで、ジェフ・ダイヤーは文章の論理的な側面ではなく、詩的な機能を使って、つまり音楽と言葉を直接対置することによって、ジャズとは何かを描く方法を見付けたと言えます。

それにしても、ここに出てくるジャズメンの全員がなんという悲惨な生活を送っていたことだろう。アルコールとドラッグと暴力によって彼らの体はずたずたにされ、音楽的才能の絶頂を迎えた後にみんな若くして亡くなっている。
ジェフ・ダイヤーはジャズとはそのようなもの、若い時にすべてを犠牲にして駆け抜けるようにして生み出されるものだと言っています。
必ずしも同意することはできないけれど、確かに彼らの活躍した50年代、60年代のジャズには、今のジャズには無い緊張感とエネルギーが溢れていたことは確かなことだと思います。
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