逗子の家―耐震面材
昨日は午前中に逗子の現場へ定例打ち合わせに行きました。これから毎週水曜日は逗子の現場に行くことになります。

2階から吹き抜け越しに裏山を見る

ここに階段がかかる

上棟からまだ2週間ですが、現場は大工さんが3人入っているので工事はだいぶ進んでいます。
外壁の下地のダイライトと言うパネルが貼られているので、中から見ると窓の位置が解り、室内からの景色の見え方、光の入り方が良く解るようになってきました。
階段の吹き抜けに東に向かって大きな開口部を設けているのですが、ここから裏の山が見えて、先日植えたクスノキとモクレンの見える様子など、設計の時に意図したことがほぼ正しく実現されているようです。

外から見たダイライトの様子

ダイライトと言うのは商品名ですが、一般に耐震面材と言われ、地震の時などに建物の傾くことに抵抗する部材です。よく使われる構造用合板との違いは、構造用合板は透湿性が無いのですが、ダイライトには透湿性があるので、壁の内部で出た湿気を外に逃がして、内部結露を起こしにくくすると言われています。
ダイライトが耐震性を発揮するためには、釘の種類、打つピッチ、貼り方などに決まりがあるのですが、この日は監督さんと足場の上を一つ一つ見てチェックして行きました。
一件正しく張られているようですが、細かく見てゆくと何点か問題点が出てきて、これから訂正して、後から訂正後の工事写真を送ってもらうようにしました。

FRP防水の施工

これは屋根の内樋にFRPで防水を掛けているところ。ガラス繊維を張り付けたところにポリエステル樹脂を塗って、丁度バスタブのような防水層を作ってゆきます。

基礎の断熱

内部では、基礎の断熱工事が一部残して施工されていました。これは屋根面に取り付けたのと同じ、発泡フェノール樹脂板の60mm厚のものです。

そよ風の集熱チャンバー

今回採用した「そよ風」と言うパッシブソーラーシステムのチャンバーが入荷していました。これは屋根で高温になった空気を集める部分で、屋根に近い壁の部分に取り付けるようになります。
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法政大学55/58年館見学会
55/58年館外観

一昨日の土曜日は、法政大学市谷キャンパスにある、55年舘、58年間の見学会を行いました。

このブログでは何回も書いていますが、この建物を解体して立て直す計画があり、我々建築学科OBが中心となって解体せずにリノベーションを行って使い続けるように運動をしています。

この建物は当時の法政大学建築学科の教授で、僕たちも授業を受けた、建築家大江宏の設計になるものです。当時としては今までに例を見ないモダンな建築だったはずですし、世界的に見ても新しいデザインだったことと思います。そして今見ても、十分美しい建築です。

日本では、建物の価値を単に新しいか古いかだけで判断するような風潮があるような気がしますが、それだけで建築をつくっては壊しと言うことを続けていると、美しい街並みはできないし、歴史的な街並みと言うものは形成されないのだろうと思います。

ヨーロッパを旅行して、日本に帰ってくると、町がとても清潔なのですが美しいとは感じないことがあります。逆にローマなどへ行くと、道路も建物も汚れていたりするのですが街全体としてみるととても美しい。その差は何かと考えると、日本の建物は短い寿命でスクラップアンドビルドを繰り返しあまり古くならないからきれいだけれども、歴史の蓄積、街並みの連続性がないので美しく感じない、と言うことがいえるのではないかと思います。

しかもエネルギー問題などを考えると、これからは建築も大事に使ってゆくことが大事なのではないかと考えます。

内部を学生たちと見学中

この日は、大学の1年生がゼミの一環として参加してくれたので、そんなことも含めて、建築の魅力について、説明をしながら見学を行いました。
ちょっと1年生には難しい話もあったのかもしれませんが、少しでも建築の見方がわかってくれたらよいと思います。
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category:建築
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逗子の家―金物検査
今週は、週半ばに逗子の家の現場に行く予定だったのですが、台風が近づいてきているということで、お天気が良いうちに現場を見ておこうと、急きょ昨日の午後に行って来ました。

上棟してから、丁度一週間ですが大工さんが4人入っているのでずいぶん工事が進んでいました。

屋根の防水シートと瓦棒

屋根の上に上ると防水シートの上に瓦棒と呼ばれる桟が止められていて、この後ガルバリューム鋼板の屋根材が取り付けられる下地が出来上がっています。
今回は「そよ風」と呼ばれている、ソーラーシステムで冬の暖房を行うため、普通よりも複雑な作りになっています、
丸く孔のあいたところから空気を取り入れ、屋根の鉄板で温められた空気を集めて床下に吹き込み、基礎のコンクリートに蓄熱して暖房を行うものです。

2階天井

フェノール樹脂断熱材

室内側から天井を見上げると、先ほどの丸い穴が見えます。ピンクの色をしているのが、屋根面の断熱材です。これは発泡フェノール樹脂と呼ばれるもので、グラスウールの倍近い断熱性能があるのですが、今回は60mmの厚さのものを2枚重ねて入れています。屋根の上で高温の空気を取り入れるため、屋根面の断熱は通常以上にしっかり行っておこうと考えています。

ホールダウン金物

羽子板金物、筋違金物、梁金物

この日の目的の一つは、構造的に必要な金物がキチンと施工されているかを確認することでした。
柱を基礎にしっかり止めるホールダウン金物や、筋違を止める金物、梁を柱と緊結する羽子板ボルトなどが必要な位置に取り付けられているかどうかを確認して行きます。

床の釘をチェック

2階の床は28mmの厚い合板で下地が作られていますが、これも構造的に大事な要素なので、きめられた釘で、正しいピッチで打ちつけられているかどうかチェックします。

そのほか、これからの工事の内容について現場の監督さんと詳しい打合せをしました。
来週からは毎週現場で定例会議を行うようになります。
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category:建築現場
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クラシックライブ
昨日の夜は、赤坂のクラシックライブハウス「カーサクラシカ」へ行きました。

僕のクライアント、Aさんのヴィオラの先生、手塚貴子さんが出演するということでAさんからご案内いただいたものです。

クラシックライブハウス「カーサクラシカ」

ジャズの世界では、クラブで食事やお酒を楽しみながら演奏を聴くというスタイルは定着していますが、クラシックではちょっと珍しいかもしれませんね。
こじんまりしたスペースで演奏者の表情や手の動きが見えるところで演奏を聴くのは、室内楽を聞く環境としてはとても良いと思うし、お酒を飲みながらリラックスして聞くのも、大きなコンサート会場で聞くのとはまた違った親密な雰囲気があって良いものです。

ヴィオラの手塚貴子さんと、ピアノの佐藤有見子さん

曲はシューベルトに始まって、フォーレ、ニノ・ロータ、ピアソラ、と続きました。
特にニノ・ロータがすごくよかったのですが、聞いていて急に切ない気持ちに襲われたのはなんだったのでしょうか。音楽を聴いてこんな気持ちになったのは初めての経験です。
ニノ・ロータと言う人は、手塚さんに聞くまで映画音楽の作者と言う認識しかありませんでした。そういえば、フェリーニの「道」の主題歌、ジェルソミーナや、ゴッドファザーの愛のテーマなどどの曲も哀愁を帯びたものが多いですね。

この日の演奏は、ピアソラにしてもフォーレにしても哀愁を感じさせるのは、曲の選定によるものか、ヴィオラと言う楽器によるものか、又は手塚さんの演奏によるものなのかと考えましたが、多分そのすべてが一緒になって聞き手に感じさせるものがあったでしょうね。

心から楽しめる演奏会でした。
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category:音楽
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サーモウッド
先日上棟した逗子の住宅に使うサーモウッドの外壁が、先月末にフィンランドから横浜に届き、昨日横須賀の工務店に届けられるということなので、検品に立ち会ってきました。

梱包を解いたサーモウッドサイディング

断面はこんな形です

いろいろな形状のものがあります。これはサンプル。

サーモウッドとは、フィンランドで開発された木材の加工方法です。
パインやスプルスなど通常では耐久性の弱い木材を、窯の中で高圧水蒸気と共に、高温で加工すると、木材内部の繊維が変化して耐久性が向上するとともに、狂いにくい寸法安定性の良い材木になるということです。
日本でもデッキ材としてはずいぶん使われるようになってきています。よく使われる南洋材のハードウッド、ジャラやイぺなどと同じぐらいの耐久性があると言われています。

ならば、建物の外壁にも使えるのではないかと思い、逗子の住宅を設計中にいろいろ調べてみました。
まだつかわれている例は少ないのですが、日本でも作っているところもあり、フィンランドから輸入しているものと比較してみました。その結果性能的には大きな違いはないものの、値段が国産のものよりもフィンランドのものがだいぶ安いこともわかりました。

フィンランドから輸入しているアーサーティンバーと言う会社と何回かやり取りをして、今回使う分を輸入してもらうことにしまた。普段在庫はしておらず、船便で3カ月かかるということなので、設計中に発注しておきました。
納期が掛るのが一寸問題なのですが、値段が4000円/㎡と窯業系のサイディングとさして変わらないのが魅力です。

届いた材料は、上の何枚かが割れていたりしましたが、余分に取って置いてくれたとのことで大きな問題はありませんでした。包装を解くと、サーモウッド特有のちょっと焦げたような匂いがします。これが熱加工されたという特徴なのでしょう。
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category:住宅
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逗子の家―上棟
今日は逗子の家の上棟でした。

2階の梁見上げ

午後一番に現場に着くとすでに2階の梁が上がっていました。
最近では棟上の時にはレッカーを使ってあげるので、仕事の進みが速いのですが、この現場は道路から奥まっているためにレッカー車が使えず、すべて人力で上げています。その分普通よりも多くの職人さんが入って、てきぱきと仕事を進めていました。

2階の床の下地も張られて、作業がしやすくなっています。
2階の床を下から見上げる

柱と梁を止める金物

先週から僕の事務所に研修に来ている学生のN君と図面を見ながら、使われている梁の大きさや金物を確認しながら、木造の構造の仕組みを説明してあげました。
大学では木造のことをまったく教えないので、彼にとってはよい勉強になったことと思います。

垂木の取り付け

夕方ごろには、屋根を支える垂木が取り付けられました。この垂木だけはスパンが飛んでいるので、ツーバイフォーの背の高い部材を使っています。

水道と温水の配管、ヘッダアー

床下に当たるところには、すでに水道の配管が施工されていました。ヘッダーといわれる分岐の部品から配管が枝分かれしてゆきます。水色の管が水、赤い管がお湯の通るところになります。

垂木が終わったところで、大工さんたちは仕事を終わりにして、上棟式の準備にかかりました。
家の四隅に、施主と棟梁、私がそれぞれ塩と酒とお米を備えて、工事の無事完成をお祈りします。

雨が降っても大丈夫なように垂木の上にシートを掛けてある。

その後、組みあがったばかりの家の骨組みを眺めながら、おいしい料理とお酒をいただきました。
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category:建築現場
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大江宏賞の盾
昨日の夜は、今年の大江宏賞受賞者、川西乃理江さんに記念のメダルを渡すセレモニーがありました。

大江宏賞と言うのは、我々法政大学OBが建築学科大学院の卒業設計最優秀者に与える賞で、その運営費、賞金などは卒業生の寄付でまかなっています。

今年は3月の末にその審査会があって、優勝した川西さんにはその場で盾を渡しているのですが、後から名前を掘り込まなくてはいけないので、毎年今頃の時期に名前の入った正式なものを渡しています。
会長からメダルを渡されて笑顔の川西さん

メダルの授与式といっても格式ばったものでなく、新宿の居酒屋でメダルを渡した後に我々運営委員数名と飲みながら、作品についての質問や今後の抱負などを聞くといった会です。

中宮寺の厨子をデザインした盾

この盾は、大江宏先生が若いときに設計した、奈良、中宮寺の厨子をモチーフにこの会の会長、猪野忍さんがデザインしたもので、大きくてずっしりと重い立派なものです。

大江宏賞は今年で第7回になりますが、女性が受賞したのは初めて。と言うことで、我々も張り切っていろいろ聞いているうちに、お酒が回ってきたこともあり、建築の話で時間も忘れて盛り上がり、気が付いたら4時間以上経っていました。
彼女には少し迷惑だったかな、と思いながら、みんな根が建築好きなので、建築の話をすると止まらなくなってしまうのですね。
とても楽しい会でした。
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伊丹 潤 展
去年亡くなった建築家の伊丹潤さんの展覧会に行ってきました。

伊丹さんは世の中の建築やデザインの流行に惑わされることなく、常に真摯に自分の内側を掘り下げて行く作業をしていたように思われます。
ジャーナリズムにいつも取り上げられるタイプではなく、しかしだからこそいつも気になるようなタイプの建築家だったと思います。

模型とスケッチ

どちらかと言うと寡作な人でしたが、展覧会で見るとそれでもずいぶん多くの作品を残しています。
図面はすべて手書きのもので、紙が真っ黒になるほど何回も何回も鉛筆を塗り重ねてゆくため、図面の中に考えていることが手を通してすべて表現されているように感じられます。
こうゆうことは今のコンピュータを使ったCAD図面では到底表現できません。

手書きの立面図

ご自身が在日韓国人ということもあり、韓国での作品、とりわけ晩年には済州島に多くの作品を残しています。
僕は三年前に済州島へ行ったのにそのことに気が付かずに、その作品を見てこなかったことが悔やまれます。

済州島ゲストハウス

済州島の民家

彼の作品はとても個人的なものにも見えますが、済州島の作品を見ると、その土地の自然に根を下ろしていることも感じることが出来ます。済州島の一連の施設の中のゲストハウスは、周囲の山並みに形を合わせたようにも見えますが、僕には済州で見た民家の藁ぶき屋根を想起させました。
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category:建築
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フローリングを確認
逗子の家の配筋検査の後、今回使っているフローリングのメーカーがたまたま現場から近いので確認のために見に行くことにしました。

僕の事務所にはいろいろなメーカーのフローリングのサンプルが置いてあります。そのサンプルを見て今回はどのフローリングを使うか検討したり、お施主さんに説明をしたりします。
ただ、サンプルは15cmから30cmほどの大きさです。無垢の木はカットする場所で色や木の目も違うし、節の有る無しもあります。大体、メーカーのカットサンプルは、良いところを切り取っていることが多いので、これだけで判断するのは危険なこともあります。
いつも使っているメーカーであれば、大体予想出来るのですが、今回は初めてのメーカーと言うこともあり、一度確認したいと思っていました。
製品がユニと言われる、30cmほどの長さのものをついで作ったもので、グレードも普及品なので節が少し多いとも言われていたので、お施主さんにも確認してもらいたいと言うこともあり、一緒に行ってもらいました。

そのメーカーの事務室では、前もってフローリングを何枚か並べて置いてくれました。
オークのフローリング

確かに一部節があり、色の黒っぽいところ、白いところが混ざっています。しかしそれが全体に混ざっていると気にならないと言うか、少しラフで返って良い感じです。
柿渋を混ぜて作ったと言うオイル仕上げも手触りがさらりとして気持ちが良いのも気に入りました。
お施主さんも気に入ってくれたようで安心しました。
この辺の感覚はかなり個人差があり、このラフな感じがいやだと言う人も当然居るわけで、やはり見て確認してもらうことは大事なことです。

丸太をくり抜いたポスト

ここにはフローリング以外にもいろいろ面白いものがありました。入り口の脇に置いてあった郵便箱は、丸太をくりぬいたユニークなものです。
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category:住宅
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