住宅のメンテナンス時期
良く、居間の住宅の耐用年数は何年ぐらいですか、と聞かれることあるのですが、難しい質問です。
きちっと設計と施工がされていれば、最近の住宅はかなり長く持つはずだと思いますが、住んでいる人のメンテナンスによって、ずいぶん差が出てきます。
木造でもコンクリート造でも、10年から15年に一度ぐらいはある程度まとまったメンテナンスが必要ではないかと思います。10年から15年と言うのは、その家の建っている状況などによって差があるためです。

実は、僕が独立して始めて設計した、鉄筋コンクリートの家が事務所の隣にあります。すでに竣工してから31年がたっているわけですが、16年目に外壁の清掃と塗り直し、コーキングの打ち直しなどのメンテナンスを行いました。
夏に一部雨漏りがあり、それは原因がわかって応急手当てをしたのですが、すでに前回からまた15年経っているので、全体的な改修を行うことにしました。特に屋上の防水工事は前回やっていないので、31年経っていますから、これもやり直すことにしました。

屋上解体工事
防水の保護のためのコンクリート平板を剥がすと、長い間に土がだいぶ詰まっていて、防水もそろそろ寿命なことがわかります。奥にあるのは31年間使い続けた太陽熱温水器。良く持ったものです。

ウレタン防水
下地がきれいになったところで、新しい防水の工事。ウレタン防水の改修工法で施工しています。アンカーボルトが立ち上がっているのは、今回太陽光発電パネルを取り付けるためのものです。

打継目地コーキング

サッシ周りコーキング
サッシ回りや、打継目地などのコーキングもすべて新たにやり直しています。

太陽光発電パネルの設置
防水が終わって、太陽光発電パネルを取り付けたところです。屋上が狭いので、目いっぱい並べても2KWですが、ほぼ一人暮らしで、あまり電気を使わない家なので、これでも結構使用電力を補えるのではないかと思います。

この家のことは、僕のホームページに詳しく紹介していますので、良かったらこちらも見て下さい。http://www.pluto.dti.ne.jp/~kekojima/casa09/casa09.htm
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真壁と大壁
先週竣工した逗子の住宅の内部の壁には、真壁の部分と大壁の部分が使い分けられています。

大壁

大壁と言うのは、柱の上に壁の材料を貼るタイプの壁で、柱や梁は、壁の中に隠れて見えません。それに対して、真壁とは柱と柱の間に壁を作るので、柱や梁が表に表わされて見えてきます。

真壁

日本の住宅は、昔はほとんど真壁で作られていました。今でも和室を作るときは大抵真壁で作りますね。それに対して、欧米の住宅は大壁が多く、日本でも最近では和室以外は大壁で作ることがほとんどだと思います。

逗子の家では、外部に面している壁を大壁にして、部屋と部屋の間仕切りの壁を真壁にしています。
その理由は、断熱や気密、構造の性能などを考えると外側は大壁の方が向いていると考えるからです。それに対して間仕切りの壁は、断熱材を入れませんし、構造を担う割合が少ないので、真壁にして、少しでも壁を薄くして部屋を広くしようと考えています。

そのような機能的なことだけでなく、柱梁の見える真壁の美しさを取り入れたいということもあります。

外壁に面した大壁と、間仕切りの真壁

この吹き抜け部分の右側は外壁に面しているので大壁ですが、左側は間仕切り壁なので真壁にしています。正面の壁は外部に面しているので大壁なのですが、踊り場を挟んで柱が2本見えています。これはこの2本の柱だけを太くして、一般のところが4寸角(12cm)なのに対して5寸角(15cm)あるからです。
階段の吹抜け周りは床がない分強度的に弱点になり易いところを補う意味で柱を太くしたのですが、結果としてデザイン的にも良かったと思っています。
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逗子の家、オープンハウスのお礼
オープンハウス風景1階
オープンハウス風景2階

この土曜と日曜日の2日間、逗子市に完成した住宅のオープンハウスを行いました。

当日見学に来ていただいた方にお礼申し上げます。

私の事務所のある新宿から考えると、逗子市は少し遠いので、どれだけの方が来てくれるのか少し心配していたのですが、両日とも予想以上に大勢の方に来ていただきました。
私と、工務店の監督さんで説明をしたのですが、十分な対応が出来なかった方には、本当に申し訳ありませんでした。

オープンハウスを開くためには、お施主さんのご理解もなくてはいけないので、お施主さんにも感謝しています。
オープンハウスを開く理由は、当然宣伝的な要素もあるのですが、多くの方に見ていただいて、その感想を聞きたいということもあります。
いろいろな意見をお聞きした中で、一番うれしかったのは、小島さんの住宅は写真で見るよりも実際に体験するほうが良いですねといわれた事でした。
僕が設計で大事にしているのは、素材感であったり、光の広がり方であったり、形にならない気持ちよさであったり、写真では表現できないことが多いので、実際に空間の中に身をおいて、体でそれを感じてもらえたのなら、こんなに嬉しいことはありません。

建物の引き渡しも終わり、今週末にはいよいよ引越しです。
工事が終わって、ホッとした気持ちもありますが、建物が自分の手を離れ、今まで毎週、逗子まで通っていたのが
行かなくなることが少しさびしくもあります。
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抽象化と自然
明月院方丈の丸窓

昨日の朝のNHK、日曜美術館は、縄文時代の土偶の特集をやっていました。

その中で、縄文初期と言われる女神像がとても美しく、目を引きました。
女神像と言うとすぐに、ルーブルにあるサモトラケのニケ像を思い出しますが、あのニケ像に劣らない美しさです。ただ、ニケが衣服の繊細な襞までリアルに表現して具体的なのに対して、縄文の土偶は顔もはっきりせず、胸は平面的で非常に抽象的です。
しかしそれは、技術的に劣っているのではなく、高度に抽象化する意思がその中にあって、一つ一つの線が、考え抜かれて、これ以上少しも足すことも引くこともできない完成度を見せています。

西洋の美術は、ギリシャ、ローマ、そしてその復興としてのルネッサンスと、常に事物をあるがまま具体的に描くところに特徴があります。それは、根底に人間中心主義があり、あらゆるものを、人間の目を通して見えるままに描くという思想の結果でもあると思うのです。

それに対して、日本の美術は常に事物を抽象化して描く傾向があるように思います。縄文まで遡らずとも、江戸期の俵屋宗達、尾形光琳などの造形にはものすごくモダンな抽象表現があります。それが、19世紀西洋の美術に大きな影響を与えたのもうなずけるものがあります。
日本では、事物の有り様は決して一つの視点から、人間の目を通してのみ見られるものではなく、もう少し相対的なものとして捉えられています。時間でさえも絶対的なものではなく、空間と共に相対的に捉えられていることは、中世の物語絵巻を見ていると良く解ります。

丁度、前日に鎌倉の明月院を訪れたのですが、裏庭に向かって開けられた丸窓が、ことのほか美しいことに目を奪われました。この丸窓は、明月院の名称から月を表していることは解りますが、丸の下が少し欠けています。これによってこの円が月であることを表しているのです。これが西洋だったら、もっと具体的に月を表す装飾が付くのでしょうが、日本人は、このような抽象表現を好み、誰でもそれに納得する教養を持っていると言えるのかもしれません。
この窓は裏庭の景色を丸く切り取るだけでなく、障子の開け具合で様々な形に切り取るのです。
ここには、人間、月、風景を相対化する日本人の感性が見事に表れているように思います。
僕の仕事でも、窓をこのように扱えたらといつも思っているのですが、とても難しいことです。
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逗子の家―テレビ収納
今日は逗子の家の検査機関による完了検査でした。

建物が、設計図通りで、建築基準法上適法になっているかどうかの検査です。違法な部分が無いように設計しているはずですが、やはり検査と言うのは終わるまで緊張するものです。全く問題なくあっけないほど簡単に検査が終わり、少しホッとしました。

現場はほぼ終わってクリーニングも終わり、土曜日にはお施主さんと設計事務所の検査になります。

TV、CD収納
写真は、テレビと音楽CDを収納する棚です。
テレビの置き場所は設計の時に意外と悩むところです。テレビの位置によって、ソファーの配置、さらには窓の位置などが制約されてくるからです。テレビが無ければ、もっと自由に設計できるのにと思うこともしばしばです。
最近のテレビは大きくなっていますし、色も黒いので存在感があります。

扉を閉めたところ
と言うことで、この家ではテレビを見ない時には隠せるように考えました。天井いっぱいの大きな扉を引くと、テレビも、その横のCD棚もすべて隠れて壁の中に入ってしまうという仕掛けです。

スピーカー台
これはなんでしょう?

正解は、スピーカー台です。設計の途中でお施主さんが、小型で高性能のスピーカーを買うことが決まったので、それに合わせて、、厚さ4cmの杉の板で作った台を2本ある化粧柱に食い込ませるように取り付けています。
スピーカーは振動して音を出しますから、台がしっかりしていることが良い音を出すための条件になります。柱の幅が18㎝ありますので、スピーカーがその幅に収まると言う寸法です。

浴室

お風呂もすっかり仕上げっていました。
床と腰の部分をタイル貼りに、壁と天井はヒバの無垢板を貼っています。ヒバは油分が多く、水に強くて、カビが生えにくいので浴室にはもってこいの材料と言えます。
浴槽は久しぶりに鋳物ホウロウを使ってみました。重くて施工が大変なので最近は人工大理石のものに押されていますが、その分しっかりして、存在感があります。
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逗子の家オープンハウスのお知らせ
逗子の家

このブログで、工事の進み具合をお知らせしてきた逗子の家のオープンハウスを、お施主さんのご厚意で開催することになりました。
住んでいて気持ちの良い空間を作るために様々な工夫を凝らした住宅です。
気持ち良い”と言うのは所謂快適な住宅とは少し違うと僕は思っています。数値で表される快適さではなく、肌で感じる気持ち良さをこの住宅に込められればと思って、設計してきました。

太陽熱を利用したパッシブソーラーの採用や、調湿作用のあるドイツ漆喰のプラネットウオール、無垢の木のフローリング、杉板の天井、Low-Eガラス入り木製サッシなどは、そのための材料ですが、何よりも大事にしたのは、光の入り方と、裏山の景色との関係、つまり窓の開け方にあります。
工事が完成に近づいて、その意図はうまく空間に反映されたのではないかと自負しています。

多くの方に、この気持ち良さを実感していただければと思います。
オープンハウスは、下記の要領で行われます。
Eメールで、オープンハウス参加希望と書いて、住所・氏名・電話番号を入れていただければ、こちらより詳しい案内図の付いたパンフレットをお送りします。

日 時:   2012年10月20日(土)PM 1:00~PM5:00
            10月21日(日)AM10:00~PM4:00

連絡先  : 〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-17-33 カサ・ブローテ
       想設計工房 小島建一
       TEL:03―3207―6895/ 090-8491-3611
       FAX:03―3207―6895
       Emale:kekojima@pluto.dti.ne.jp

※ 車でお越しの方は、近くに市営運動公園に駐車場がありますが、土日は満車の場合があります。

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逗子の家―内部塗装
今日は逗子の住宅の現場へ行きました。来週の竣工検査を控えて、現場は最後の仕上げに入っています。

ペーパー掛け
ペンキ屋さんが、内部の階段や建具、家具などの木部の塗装をしていました。
木部に使うのは、ドイツ、オスモ社の植物オイルを原料とした自然塗料です。
塗装工事と言うのは、思った以上に手間のかかるものです。写真で職人さんが作業しているのは、塗料を塗っているのではなく、塗った後にサンドペーパーを掛けているところです。塗料を塗るとケバが立って、ざらっとした感じになります。それをペーパーで落して、もう一度塗り、さらに細かいペーパーで仕上げるようにしています。手で触った感じがさらっとなるようにと言うことを、現場ではしつこく言っているので、職人さんには嫌われそうですね。

靴収納の内部
これは玄関の靴箱です。左側2列が靴収納で、真ん中が少し背の高いもの、右側にコートを掛けるようにしています。これだけあると相当入りそうです。

靴収納の扉
これは、いまの靴収納の扉を外して、やはり塗装を掛けているところです。

外部玄関周り
外部では、敷地を馴らして、これから塀や門を作る準備をしていました。
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