一楽荘の改修工事確認
先日「ののの家」のお施主さんの長野県富士見にある別荘、一楽荘に行って来ました。

一楽荘

前にも書きましたが、ご主人の松本に会った実家の古い旅館を移築したものです。
場所によって、明治、大正という古い由緒ある建物で、とても良い雰囲気なのですが冬がとても寒くもう少し何とかならないかと言う相談を受けて、去年の秋に建物の調査をしました。その結果を見て、簡単な図面を書いてこの建物の移築を行った大工さんに改修工事を頼んでおいたのが完了したので、工事の確認に行ってきたわけです。

この辺は冬の寒さが大変厳しく、-20度ぐらいになるということです。それに対して古い建物ですから気密性が悪く、移築の時の断熱材も入り方が少ない事が解り、その辺を中心に改修しました。

入口の引き戸は写真の様に引き戸で気密性が悪いので、雨戸を兼ねた大きな引き戸を付けてそっくりくるむようにしました。新しいのでちょっと色が古い建具と合っていませんが、
いずれ色が焼けて自然と馴染んでくるので、あえて塗装で色を合わせるようなことはしていませんでした。

入口の引き戸

内側から見るとこんな感じで、手掛けの部分を丸い穴と、四角い穴で遊んでみました。

引き戸を内側から見る

庭に面した縁側のガラス戸も、同じように気密性が悪いのでここは既製品のスチールの断熱雨戸にしましたが、戸袋は周りに合わせて木で作ったので、雨戸を引きこんでいるときは気になりません。
大工さんが気を使って、戸袋が蝶番で開くようにしてくれました。こうしておけば戸袋の中にごみが詰まったりしたときに掃除が出来ると言う訳です。

開閉できる戸袋

その他、アルミサッシを使っているところのガラスをLow-Eガラスに変えたり、床下に潜れたので、床の断熱材を追加したりしました。
新築と違って、まだ完ぺきな断熱にはなっていませんが、今までよりはだいぶ良くなったのではないかと思います。
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八幡山の家工事完了
今日は八幡山のリフォーム現場が、最終的に工事が完了して最後の確認と引き渡しに伺ってきました。

予定では3月いっぱいで工事が完了する予定だったのですが3カ月近く工事が伸びてしまい、お施主さんにはだいぶご迷惑をかけてしまいました。大きな原因は、3期に工事を分けて、住みながらの施工だったので当初の見込みよりも手間がかかったことが大きいのですが、消費税の駆け込み需要で職人さんの手配がスムーズに行かなかったり、解体して予定外の補強工事が出てきたりなどいくつかの原因が重なったことがあります。

それでもお施主さんには、新しくなった家がとても気に入っていますと言われて、ちょっとホッとしました。

最後まで残った外構工事、玄関前のガラスの庇も付いて、床のタイルも張られてきれいになりました。
玄関前、ガラスの庇

2階の予備室は、お孫さんたちが遊びに来た時の部屋になりますが、すでにもう何回も泊まりに来ているようです。
予備室

階段室の上には縦長の大きな窓を付けて、レースのロールスクリーンを付けました。日が当たると、向かいの公園の大きなケヤキの木の影がここに移ることを狙っています。
2階の廊下から階段を見る

洗面室とトイレは一つにして広めにとりました。この左側に浴室、右側の扉はウオークインクロゼットを通って寝室につながっています。
2階の洗面室

これは玄関の靴を履くための手摺と一体になったベンチ。手すりにつかまってベンチに座り靴を履いたり脱いだりできてとても便利です。
玄関のベンチ
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富永先生の家とコルビュジェ
前回に続いて、日曜日に伺った富永譲さんの自邸の話です。

富永先生は建築家として有名なだけでなく、フランスの建築家、ル・コルビュジェの研究でも有名です。ル・コルビュジェは20世紀の近代建築にもっとも大きな影響を与えた建築家で、日本では上野にある国立近代美術館の設計者として、世界遺産に登録されるかどうかが話題になってご存知の方も多いことと思います。

コルビュジェのビラ・ガルシェ
この写真は、そのコルビュジェの初期の住宅で、ビラ・ガルシェの名前で知られています。この建物は、コルビュジェが今までの建築から決別して、新しい建築の考え方を示したという意味で非常に重要な住宅だと言えます。
コルビュジェはその著作の中で、近代建築の5原則を上げているのですが、その中に、自由な立面と言う考え方があります。それまでのヨーロッパの建築は石で造られたものが多かったので、大きな窓を開けることが構造的にできませんでした。しかしコルビュジェは、鉄骨やコンクリートで造れば構造は柱と床で持たせて、壁は自由になると主張したのです。
それがこのビラ・ガルシェの端から端までの横に長い窓です。
今までの石造建築に慣れた目には、非常に新鮮なものに映ったに違いありません。

富永先生の自邸
そしてこの写真は富永先生の自邸。窓の開け方が似ていると思いませんか?
日本の建築は木造で、柱梁が構造を受け持っているので自由に窓を開けることが出来ます。と言っても地震が多い国ですから、横からの力に対抗する必要があり、それを普通は筋違と言う斜めの材で持たせるようにします。普通はこのスジカイは壁の中に隠れているのですが、富永先生の家では、外付けサッシを使うことによって筋違のあるところにも窓を開けています。筋違は全ての柱間に入っているので、非常にがっちりした構造でありながら、ビラ・ガルシェの様に端から端までの横長の窓が実現しているのです。
この窓の室内側には障子が入っていて、筋違の存在を薄くすると共に、外からの視線を遮って、断熱効果もあるという仕組みになっています。

外付けサッシも、障子もごく一般的に流通しているものです。特別なものを使わずに、ローコストで非常に質の高いデザインをしているところがさすがだと思いました。
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富永先生の家
<昨日の日曜日は、建築家の富永譲さんの家に伺ってきました。

富永さんは、長年法政大学建築学科の先生をしていたのですが、今年の3月で学校を定年退職しています。そこで、僕がお手伝いをしている同窓会活動の一環として、卒業生を対象とした連続講義をお願いしようと思って伺ったのでした。
そのような用事とは別に、自邸がどのような家なのかという興味もありました。

北側の外観

道路側から見るとこの様な外観で、特別変わった家ではないのですが、サッシのガラス越しに筋違が見えます。このスジカイが地震の横力に対抗して、壁が無くても良くなり、このように端から端まで窓にすることが可能になっているのです。と言っても全面ガラス張りの家ではなく、窓の高さをいろいろな種類に変えていますが、これが内部に入ると実に心地の良い窓になっているのです。

この家はご両親が60年前に建てた家を、30年前に富永さんの設計で一部解体、増築して、つい最近その増築部分の外壁を黒い金属サイディングに張り替えたということです。
入り口側に回ってみても、旧い家にぴったりくっつくように立っているのが良く解ります。

入り口側外観

内部は写真を撮るのを遠慮したのですが、この新旧の取り合いが実に自然で、無理のないに気持ちの良い空間になっています。
きちっと歴史を残しながら、家を住みやすく変えている手法がとても好感のもてるものでした。増築部分も、障子の入った開口部からディテールの隅々に至るまで筋の通ったきちっとしたデザインでありながら温かさを感じさせるインテリアでした。

庭でワインと料理の昼食

この日はお天気が良いからと、庭のテーブルにお料理とワインを用意していただいて、興味深い建築の話をいろいろと聞かせてもらい、時の建つのを忘れて、ついつい長居をしてしました。
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児玉の家の売却
今朝通勤の途中に昔のお施主さんのHさんとばったり出会って、しばらく立ち話をしました。

Hさんは早稲田にある私の事務所の近くにお住まいで、ずいぶん昔に家のリフォームの設計をして以来のお付き合いです。10年ほど前に、埼玉県の児玉にある奥様の実家の土地が空いているので、家を建てたいという相談を受けました。
児玉は今では本庄市の一部になっていますが、群馬県との境にある、関東平野の北のはずれとにある小さな町です。距離的には遠いのですが、高速で行けば意外と東京から近いので、週末は別荘として使って、いずれそちらに移住したいという希望で平屋の小さな家を設計しました。
児玉の家、外観夜景
囲炉裏のある今の風景
キッチン方向を見る

とても気に入っていただいて、去年まではそのように使っていたのですが、ご兄弟の間で相続の問題が発生したことと、時間的に近いとはいえ頻繁に行くことが少し負担になってきたこと、周りに何もないところなので、老後に移住しても車なしでは生活できないことなどから売却することにしたという連絡を半年ほど前にいただきました。

この辺はいわゆる過疎の地域で、土地の売却は難しいと言われていたのですが、不動産屋さんが見に来て、この家が良いので家付きなら売れるかもしれないという話だったそうです。
今朝お会いした時に、聞いたところでは売りに出してすぐに、家が気に入って買いたいという人が現れて話しがまとまったそうです。

自分の設計した家が売却されるのは少し残念ですが、解体することもなく、この家が気に入った人に再び住んでもらえるのはうれしいことでした。
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八幡山の家―玄関庇
今日は八幡山のリフォームの現場で定例打ち合わせでした。

先週から始まった外構工事は、お天気にも恵まれて順調に進んでいます。
先週コンクリートの型枠を組んでいた玄関前のポーチ部分はコンクリートの打設も終わり、庇の鉄骨が組み上げられて、ペンキ屋さんが白く塗装を行っていました。

玄関庇の鉄骨

この上に透明なガラスで屋根を葺くように考えています。
外観をなるべく軽快な感じにしようという考えから、こんな形の庇を考えてみました。

食堂の北側にトップライトがあり、ガラスが割れて、下地の木部分が一部腐食していることは以前にここに書きましたが、ガラスをLow-Eガラスに取り変える工事が終わっていました。

トップライトのLow-Eガラス

Low-Eガラスと言うのはペアガラスなので2枚のガラスの間に乾燥空気の層があって、周りを黒いシール材が回っているのですが、このシール材は直接日光が当たると紫外線で劣化してしまいます。その為に、アルミのアングルを取り付けて、シール材を保護するように指示をしました。
ちなみにこの二枚のガラスの下側は、ガラスが割れて落下すると危険なので合わせガラスを使っています。つまりガラスは全部で3枚重なっているわけですね。

3連のゴミ箱

内部は全て工事が終わって、キッチンも使用されているのですが、流しの下のごみ収納部分にお施主さんが買ってきたゴミ箱が納まっていました。3個のごみ箱がキャスター付の台に乗って、丁度誂えたようにぴったり納まっていました。
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辻邦生の小説
辻邦生の小説、3冊

ここの所、辻邦生の小説を「西行花伝」「安土往還記」「回廊にて」と3冊続けて読みました。

「西行花伝」は平安末期、貴族の没落と武士の台頭そして平氏の繁栄から源氏の世へと目まぐるしく移り変わる世の中を歌の世界を通して見つめ続けた僧であり歌人であった西行法師の話です。
「安土往還記」は織田信長と言う徹底した合理主義者であり、当時の日本人には理解されにくい孤独な権力者を宣教師と共にジェノバから来た異邦人の目を通して描いたものです。
どちらも歴史小説と言うジャンルに入るのかもしれません。
「回廊にて」は、第一次大戦と第二次大戦のはざまで、過酷な人生を生きた女性の物語で、歴史小説ではありませんが、歴史という長い時間の中で、人間と時間の関係を扱っているという点ではやはり歴史がテーマと言っても良いように思えます。
そういえば、僕が今まで読んだ「嵯峨の明月記」「背教者ユリアヌス」「花の戴冠」などはどれもジャンルでいえば歴史小説に分類されるものかもしれませんが、では辻邦生と言う作家は歴史小説家なのか、と言うと少し違う気がするのです。

僕らが歴史小説と言うとすぐに思い浮かべる、司馬遼太郎や、塩野七海とはだいぶ作品の趣が異なります。司馬遼太郎や塩野七海の小説は誤解を恐れずに言えば大衆小説であり、辻邦生の作品は文学作品であると言えるのかもしれません。
どちらが良いということではなく、僕は司馬遼太郎も塩野七海も大フアンなので、そこから触発されるものも多分にあるのですが。
その違いは多分歴史の事象に対する関わり方にあるような気がします。司馬遼太郎も塩野七海もそこに登場する人物の心の中まで入り込んでいくのですが、その心の動きはあくまでもその時の歴史の事象との直接のかかわりの中で完結するのです。それに対して、辻邦生の小説の主人公は、その事象との関係の中で、個人的にも時間的にもさらに深いところへ、さらに遠いところへと落ち込んでゆくような気がします。

短い文章で、うまく表現しにくいもどかしさを感じるのですが、3冊の本を続けて読んでみて、そんなことを考えていました。
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八幡山の家―外構工事
今日は八幡山の住宅リフォームの現場で定例打ち合わせでした。

先週足場が取れて、外構工事が始まっています。

玄関ポーチの型枠工事

玄関は、土間と上がり框の段差を少なくするように改造したため、その分を玄関ポーチでレベルの調整が必要になっています。道路のレベルと、部屋の床の関係はリフォーム前とリフォーム後で変わらないので、その分を外で階段を一段増やして調整するようにしています。その為に、現場では型枠を組んでコンクリートを打つ作業をしていました。
この上に新しいタイルを張って仕上げるようになります。

敷地裏側のコンクリート平板と砂利の舗装

建物の裏側、お隣との間にはコンクリートの平板を敷いて、砂利を間に入れる工事が終わっていました。この砂利の下には、雑草防止のシートを敷いています。
実は我が家の裏にも砂利を敷いてあるのですが、このシートを敷かなかったために、毎年狭いところで雑草を抜くのに苦労しています。その教訓で、最近は雑草防止シートを敷くようにしています。

Low-Eガラスに反射する太陽光

監督さんと打ち合わせをしているときに、額のあたりがやけに熱いことに気がつきました。
見ると2階の窓で反射した太陽の光が額に当たっているのでした。サッシに入れているのは、太陽熱をカットするLow-Eガラスと言われるガラスです。家の中に入る熱の6割ほどをカットして、夏の部屋の温度上昇を緩和するというものですが、と言うことはその6割の熱が反射しているわけで、額が熱いと感じたわけですね。普通のガラスではこういう現象は起きないと思いますから、やはりLow-Eガラスの効果なんだなと、実感しました。
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八幡山の家―足場解体
昨日は八幡山のリフォーム現場の定例打ち合わせでした。

現場はようやく足場が取り外されて、外観が見えるようになりました。
道路の角からの外観

リフォームなので基本的には外観はあまり変えることは出来ないのですが、正面一階周りに瓦の載った切妻屋根の庇があった部分を取り外したので、和風だった外観がずいぶんすっきりした印象になりました。
サッシを断熱サッシに取り換えるにあたって、窓の形や大きさを整えて、庇の形を変えたこともスッキリ感に貢献していると思います。

ちなみに工事前はこんな外観でした。
工事前の外観

これで建物本体はほぼ工事が終わったのですが、これからまだ外構工事がいろいろあって、もう一ケ月ほどかかりそうです。

内部も全て工事が終わったので、居間に置いてあった荷物も整理されてずいぶんすっきりしました。先日選びに行った新しいカーテンも取り付けが終わりました。
リビングルーム

階段回りも全て仕上がって、照明器具も付いて中々良い雰囲気になっています。
階段室
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