大井町の家
今日は8年前に竣工した大井町のお宅へ、一部改修の相談があり伺ってきました。

この家はお施主さんの家族と奥様の叔父さんが同居する二世帯住宅として設計しました。
その叔父さんが去年96歳の天寿を全うされて亡くなられたということで、この部屋をご夫婦の寝室に改造するという計画です。

玄関と中庭を中心に部屋を配置するプランになっているのですが、この家の子供たちと叔父さんが適度にコミュニケーションが取れ、楽しく生活していましたと言うお話を聞きました。8年間と言う短い期間でしたが、それでも喜んで生活していただいたと思うと、この家を設計に携わって良かったと思います。

玄関ホールに面した中庭とエゴノキ

中庭に植えたエゴノキは冬で葉が無いことと、秋に植木屋さんが入って選定したということですっきりした感じですが、竣工当時と比べるとだいぶ大きく育っていました。
この様に冬の間は日当たりが良いのですが、夏になると緑の枝がいっぱいに広がって部屋の日差しを和らげてくれます。
1本の木があるだけで住まいの環境は、見た目も実質的にもずいぶん変わるものだと改めて感じました。
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田園調布の集合住宅、杭打ち工事
先週から田園調布の現場は杭打ち工事が始まり、19日には試験杭の打設に立ち会ってきました。

先端に羽の付いた鋼管杭
この現場では写真の様に、鋼管の先に羽の付いた杭を使っています。現場が住宅地の中なので、近隣に振動等の迷惑をかけないように、比較的細い鋼管で先端の羽根がスクリューの様になっていて、回転させると地面にめり込んでゆくようなタイプの杭を使っています。
杭一本当たりの耐力が少ないのですが、この現場ではこれを全部で52本打設して、力を分散させて耐力を出すような設計になっています。

杭の計測
まずは、杭が設計通りのものかどうか、目視とスケールで測って確認します。

機械で打設中
その後、このような機械を使って杭を回転させながら打ち込んでゆきます。

接続部分の溶接
今回の杭の長さは8.5mあるのですが、その長さをいっぺんには打てないので、半分の長さのものを繋いで使います。先端部分がある程度入ったところで次の杭を繋いで、現場で溶接して行きます。

機械を操作しているオペレーターの人は、常に計測器を見ながら操作を行い、杭の先端が支持層に届くと、計測器のトルク値が急に上がるので解る仕組みになっています。

この日は、建物の四隅の4本を試験杭として確認しました。
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上尾の家ミニ増築工事完了
お正月明けから工事をしていた、「上尾の家」の寝室の増築工事が完了して、今日はその確認のため現場に行って来ました。

12畳の広さになった寝室

写真のサッシ部分を一軒だけ伸ばしてほぼ一坪だけ増築する工事ですが、これで寝室の広さが12畳になりました。寝室としては贅沢な広さですが、年を取ると寝室で過ごす時間が長くなるだろうというお施主さんの考えから、ちょっとしたくつろぎの空間にもなるようにと広くしたものです。

外付けのアルミルーバーを下したところ

新しくしたサッシには、外付けのアルミルーバーを付けました。夏の日差しをサッシの外側で遮って熱を室内に入れない働きをするとともに、夜は防犯と十分な風通しを可能にします。これは電動で上げ下げと羽根の角度の調整が出来るようになっています。

中庭から見た増築部分外観

中庭側から外観を見るとこんな感じになります。ここだけ中庭にはみ出した感じになりますが、前回の工事の時に取り付けた木製のパーゴラが連続するので、違和感が薄れたのではないかと思います。
一見簡単な工事のようですが、規模に関わらず事前に綿密な検討と、現場での職人さんたちとの打ち合わせが必要なことは大きな工事と変わらない内容でした。
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ゴースト・トレインは東の星へ
ゴースト・トレインは東の星へ

ポール・セローの「ゴースト・トレインは東の星へ」(西田英恵訳・講談社)を読みました。
これは1975年にセローが発表した「鉄道大バザール」の旅をほぼ30年の歳月を経て、60代になった彼が再びたどってみた旅行記です。
ロンドンを出発して、ユーラシア大陸を横断して日本へ、そしてシベリア鉄道でロンドンへ戻るという長大な工程を基本的には鉄道を利用して旅する大旅行です。

帯の部分に、イスタンブールでオルハン・パムクに会い、スリランカでアーサー・C・クラークに会い、東京では村上春樹と語り合うとあります。その部分も興味をそそられるのですが、なんといっても国から国へと国境を越えて、かれが見て感じること、そして30年前と今が、どこが変わりどこが変わっていないかということが興味深いところです。

30年前の旅では、ラオス、北ベトナムに入れなかった代わりに今回は、イラン、イラク、アフガニスタンを通れずに中央アジアに回っています。いつの時代にも世界にはどこかで紛争があるという事実。そして、彼の旅は一部の例外を除いて、貧困と生活を圧迫する政府に苦しむ人々の国を巡ってゆきます。
そんな中、僕が一番興味を感じたのは、東南アジア、ミャンマーから、タイ、マレーシア、シンガポール、ラオス、ヴェトナムを旅する部分でした。
日本は陸続きの国境線を持たないため、一本の線で国が変わるという実感を持ちにくいのですが、東南アジアのこの地域では、国境を超えることで生活も文化も政治も全く変わってしまいます。独裁政権で希望を失ったミャンマーの人々、ポルポト政権の虐殺からいまだに立ち直れず、恐怖の表情を消すことのできないラオスの国民、豊かで明るいタイ、かっての戦争に対してアメリカ人のセローにやさしく接して常に前向きなヴェトナムの人々。

彼は旅は娯楽の中で最も悲しい楽しみであり、世界は貧困と悪い政治に満ちており、荒廃を止める手段はないと書いています。しかし、旅で出会った多くの人がまた旅を続けることを手伝ってくれた、それこそが旅を続ける意味であるとも言っています。

表題のゴーストトレイン、幽霊とは、旅人はたまさかその国を訪れ、消えてしまう幽霊のようなものという意味でしょうか。
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国立能楽堂
昨日の夜は、千駄ヶ谷にある国立能楽堂でお能を鑑賞してきました。
「弱法師」と言う出し物で、照明を消してろうそくの明かりで演ずるという、とても雰囲気のある舞台でした。
セリフはなかなか解りませんが、事前に物語の筋だけは調べておいたのでゆっくり楽しむことが出来ました。舞台の進行の間、大小二つの鼓の演者が、声を掛けながら交互に高低の音を発して行くのがとても気持ちよく感じられました。
舞台の音響も良いのかもしれません。

この建物は、建築家の大江宏の設計です。この建築を見ることも目的のひとつでした。
1983年の竣工、大江宏晩年の大作です。20年ぶりに再会して、大江宏のすべてがここに込められていると言っても良いのではないかと言う印象を持ちました。

道路の角から斜めにアプローチして正面玄関に向かいます。
正面玄関へのアプローチ

建物の本体は鉄筋コンクリート造ですが、緩やかな反りを持つ方行の屋根をいくつも重ねるような形ですが、実はこの屋根は瓦ではなく、アルミのルーバーを並べたものです。
屋根の重なり

エントランス部分は、石を張った壁と木造の木組みの対比が美しいコントラストをなしています。この木造部分は構造体ではないのであくまでも化粧で、しかもその木造部分を本来の構造のコンクリートと分離して表現しているところが、いかにも大江宏流です。大江宏はこれを、日本古来の建築の考え方として「野物と化粧」と言っています。
エントランスホール

天井を見上げるとこの様な組み物がしてあります。
斗栱と呼ばれる組手

これはホワイエ部分。林立する丸柱と、上部の障子からあふれてくる光がとても美しい。全てのラインが縦の線となっているところも特徴的です。一緒に行った女性の先輩たちが、大江先生の建築には何とも言えない色気があると表現したのもうなずける気がします。やはり女性的ならではの表現だと感心したものですが。
ホワイエ

ホワイエを一段上がったところ

通路の部分もこのようにコンクリートの壁に対して木造の柱が独立して、野物と化粧をはっきり分けて考えている事が解ります。
通路部分

この日の舞台ではこのように周囲にろうそくを立てて、優雅な雰囲気の中で能を楽しむことができました。
舞台
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上尾の家増築の現場
今日は午前中、上尾で工事中の増築工事の現場へ行って来ました。

内部の増築方向を見る

1月6日から始まって、1月いっぱいで終わる予定だったのですが少し工期が延びてもう一週間ほどかかりそうです。ほんの1坪の増築とはいえ、解体工事、基礎工事から始まって木工事、左官、防水、塗装、サッシ、電気と一通りの工事があるのでやはり1月ではちょっと無理と言うことですね。

しかし、内部工事はほとんど終わっていて明日、電気屋さんが器具付けを終われば掃除をして、使えるようになります。

増築部分天井

天井には桐の板を張っているのですが、旧い部分と増築した部分では、旧い部分が日に焼けているので、どうしても色が違います。塗装で色合わせと言う方法もあるのですが、かえって不自然になるので、そのまま新しい部分も日に焼けてくるのを待つことにしました。
どちらにしてもこの霧の板は塗装をしないで使っています。そのままの風合いが良いこと、桐の持っている調湿作用をなるべく妨げないようにと言う考えからです。
しっくい壁と照明

壁にはスイス製の漆喰を塗っています。
ベッドの頭の位置をお施主さんの希望で変えることにしたので、そこに低めに付けていた照明を上に上げました。既存部分も壁を塗り替えたので可能だったのですが、電気屋さんはだいぶ苦労したようです。

来週中ごろには外部も含めて全て工事が完了する予定です。
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卒業設計審査会
昨日は母校である法政大学建築学科の卒業設計公開審査会に行ってきました。

140名ほどいる卒業生の中から今年は上位の13名の作品を選び、外部から審査員を招いて公開審査するというものです。

審査風景

すでに選び抜かれてきていることもあって、どの作品も見ごたえがあります。
一人10分ほどの持ち時間で、プレゼンテーションを行い、そのあと図面や模型を見ながら審査員の質問に答えて行きます。審査員はすでに名前の知られた建築家ですから、学生たちの緊張感が伝わって来るようで、きちんと答えられる人もいればそうでない人もいます。客席にいる我々から見れば、審査員の意地の悪い質問が必ずしも的を得ているとは限らないのですが、壇上にいる学生にはそれどころではないでしょうね。

審査員の質問に答える学生

4時間ほどかかった審査で見事1位に輝いたのは、里山に緩やかにカーブを描く屋根をかけて、自由な自然と一体になった環境で勉強のできる学校を提案した女学生の作品でした。

自由な学校を提案した作品

そして2位になったのも女性で、目黒川に木造の橋をかけて、その橋の上にカフェや商店が並ぶというなんで、CLTという新しい木造の提案をしたところが評価されました。

目黒川に木の橋をかける

審査の後、地下の学生食堂で懇親会が行われ、入賞した学生たちに賞状が贈られました。

懇親会で受賞に喜ぶ学生たち

これで4月からは大学院に進む人もいれば、社会に出て働き始める人もいるわけですが、みんなこれからもがんばってほしいと思いました。
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