台湾で見たもの―その2 国立台湾大学社会科学部図書館
台中オペラハウスに続いて、台北で同じ伊東豊雄さん設計の国立台湾大学社会科学部図書館を見学してきました。

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台北の中心部から少し南に下ったところにある台湾大学は、広いキャンパスに緑豊かに南国風の植物の茂る、絶好の環境の中にありました。キャンパス内には、日本統治時代の古いレンガ造りの建物も数多く残っており、そんな中に正門から一番奥の北側に社会科学部はありました。

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教室棟自体は8階建てでコンクリート打ち放しの四角い建物で、ちょっと伊東さんらしくない感じがします。中間を建物が壁にならないように視線と風が通り抜けるようにボイドになっています。その南面に低層の図書館が繋がっています。

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構造は柱の上部がキノコのように広がっているので、マッシュルームコラムと呼ばれるものがいくつも繋がって屋根を形成しています。
このマッシュルームコラムは、建築に詳しい人はフランクロイド・ライトのジョンソンワックスビルを連想するかもしれません。ただし、ジョンソンワックスが上部が円形で、柱が規則正しく並んでいるのに対して、ここではこの葉のような不定形な上部になっていて、柱は全くランダムに立っています。

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教室棟エントランスのキャノピーもこの葉のような形をしていました。

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図書館内部に入ると、ランダムに並ぶ柱と木の葉のような形の連続の間から木漏れ日のような光が落ちてきて、まるで森の中に入り込んだような印象を感じます。

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周りがガラスに囲われていることと、トップライトの光で、日中は照明がいらない明るさでした。

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天井からぶら下がている丸いものは照明器具ですが、天井を照らして間接光で明るくなるようになっているようです。

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書架はまっすぐに並ぶのではなく、アールを描いてさざ波のように広がってゆく形になっています。建物の形に合っているだけでなく、中を歩き回っていると本の迷宮に迷い込んだような気持になります。この書架は家具デザイナーの藤江和子さんのデザインです。

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同じく藤江さんのデザインしたベンチが置いてありました。建築のイメージをうまく表現した柔らかなデザインで、学生が気持ちよさそうに寝て居ました。

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ほとんど壁らしいものはないのですが、何カ所かこのように曲面を持った壁があります。たぶん耐震的な意味合いを持って壁ではないかと思います。

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内部を見学した後、8階まで登ってテラスから見下ろしてみました。このように大きさも形もまちまちな部分が寄り集まって屋根を形成しています。白く見える部分がすべてトップライトになっています。

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外構の植え込みも屋根の形に呼応したデザインになっているところも洒落ています。

台中オペラハウス程複雑な建物ではありませんが、真っ白な抽象的な形態の集合によって、森の中にいるような静謐な図書館になっているところに、共感を覚えました。
Posted by kozyken
category:建築
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