「砂の女」
砂の女


阿部公房の「砂の女」を読みました。

阿部公房の作品は、学生の頃に読んで以来です。しばらく前に、大学時代の先輩と飲んでいる時に、阿部公房のことが話題になり、お互いに「箱男」は読んでいたのですが、一番有名な「砂の女」は読んでいないことに気がついて、一度読みたいと思っていたものです。

昆虫採集に行った、砂丘に囲まれた部落で、さらに砂の穴深くにある、民家に囚われて、逃げようとしても、まるであり地獄のように逃げられない男の話ですが、読み終わると胃の中に、ずっしりと重いものが、消化されずに残っている感じがします。

砂に埋もれてしまわない為に、毎日毎日砂を外へ運び出す作業を続けることは、無意味なことを永遠に続けなくてはいけない、「シジホスの神話」を連想させます。
物語全体を貫く、不条理な感覚は、カフカやカミユの世界に通じるものですが、この小説には、カフカやカミユ以上に我々にリアルに迫ってくるものがあるのではないかと思います。
その原因のひとつは、砂の世界に囚われた男の、執拗な心理描写にあるわけですが、考えてみると、けして特殊な世界だけの話ではなく、我々人間は、いつも何か不条理な世界に囚われているのではないか、と言う普遍的な問いかけがそこにあるからかも知れません。
Posted by kozyken
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