「構造と感性 Ⅳ」 川口衛著
構造と感性 Ⅳ

構造家の川口衛先生の本、「構造と感性 Ⅳ」を読んでいます。

いまから3年ほど前に、ほぼ一年間、月に一度の割合で、川口先生を囲む私的なセミナーがありました。
そのセミナーが毎回、とても興味深いお話が聞けるので、僕は欠かさず出席していました。その時の講義録が、何回かに分けて出版されていて、これが、その4回目に当たります。

この回は、「木の構造デザイン」と題されています。
実は、この前に講義では、日本の古建築の木構造についての話しがあったのですが、割愛されているようです。川口先生の古建築の知識に、驚くと共に、日本の木造建築の中に、我々の常識を超える面白い話しがいっぱいあり、とても面白かったのですがちょっと残念です。

今回の本では、色々な建築家と組んで、川口先生が設計した、最近の木構造建築について語っています。
川口先生は、とても頭の柔らかい人で、その柔軟な発想に、いつも話しに引き込まれてしまいます。
従来の木造の観念に囚われずに、木の持っている特徴と欠点を見極めて、欠点を補う為には、木だけにこだわらず、スチールなど他の材料とハイブリッドすれば良いと言っています。

実例が色々出てくるのですが、妹島和代さんと組んで設計した、鬼石町の多目的ホールの体育館では、20mもあるスパンを木造のすごくスレンダーな梁で架けています。
仕掛けは、木造の梁の上下にスチールのフラットバーが仕込んであるのですが、そのフラットバーは引っ張りの力だけしか負担していないので、とても小さく、又、その取付けの処理が上手いので、下から見上げてもほとんど解りません。
僕は、この建物が出来てすぐに見に行ったのですが、ずい分軽々と屋根が掛っているな、と思っただけで、この仕掛けには全く気が付きませんでした。
このように、解説を聞けばなるのどと思うけれど、それがさりげなくて、ほとんど気が付かず、不思議に見えるのは、川口先生の真骨頂ですね。
マジックといってよいかもしれません。
Posted by kozyken
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