セラフィーヌの庭
セラフィーヌの庭

フランス映画、「セラフィーヌの庭」を観ました。
実在した女性画家、セラフィーヌ・ルイを描いた映画です。
第一次世界大戦が近づく、パリ郊外の町で、彼女は何軒かの家の家政婦を掛け持ちしながら、かろうじて生計を立てています。敬虔なクリスチャンである彼女は、神から絵を描くようにという啓示を受けたとして、毎夜、寝る時間を惜しんで絵を描いています。
そんな彼女を、町の人々はあざ笑い、子どもの絵のようだと相手にしませんでした。
ある日、パリから移り住んできた、画商のウイルヘルム・ウーデは、家政婦に雇った彼女の絵を見て、それが本物の絵であることを見抜きます。ウーデも実在の画商で、ピカソや、アンリ・ルソーを見出した人です。
戦争をはさんで、いったん離れ離れになった、二人は、戦後に再会して、彼は彼女の絵をパリの画壇に紹介し、大きな反響を呼ぶようになります。
絵が売れるようになり、次第に裕福になってゆくにしたがって、彼女は、奇行が目立つようになります。やがて精神を病んで病院に収容され、再び世に出ることはできなかったと言うことです。

セルフィーヌ役の女優がセルフィーヌそのものになりきった、素晴らしい演技を見せ、この映画の大きな魅力になっています。
さらに映画に魅力を与えているのは、画面の美しさと言えると思います。
映画を観ながら、いくつものシーンで、この画像を切り取って額に入れたら、そのまま絵になりそうだと思ったものです。
彼女が、暗い部屋で蝋燭の光の下で絵を描くシーン。彼女の顔半分が蝋燭の光に浮かび上がるカットなどは、ちょっとフェルメールの絵を連想します。
最期に、ウーデの計らいで、病院の外に出た彼女が、野原の向こうにある大きな木に向かって歩いて行きます。カメラは遠くから固定したままで長いシーンを取り続けます。
やがてその木にたどり着いた彼女は、大きく枝を伸ばした木の下に、持っていた椅子を置いてゆっくりと腰をかけます。
カメラは遠くから、野原と空と一本の大きな木と、その下に小さく見えるセラフィーヌを見つめたまま、やがてフェードアウトして、映画は終わります。
とても美しいエンディングでした。
Posted by kozyken
category:映画
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