グレン・グールド
グレングールド

本屋さんで文藝別冊「グレン・グールド」(河出書房新社)という本を見つけて買いました。
これは2000年に出された本を、再出版したものらしく、「ゴールドベルク」遺作録音30周年記念となっていますが、11年たって再販するというのは、グールドの人気を改めて感じます。

ずいぶん多くの音楽家、評論家がグールドについて書いていますが、専門的なことは僕にはわからないとしても、良くこれだけいろいろな意見が出てくるものだと感心します。
僕にとって良い音楽とは、繰り返し繰り返し聞いても飽きない、何度聞いても新鮮に聞ける音楽だと思っています。グールドのレコードは、どの盤も擦り切れるほど聞いていますが、何度聞いても飽きることはありません。

グールドはご存じのように1955年に「ゴールドベルグ変奏曲」でデビューして、64年にはコンサートを開かないと宣言をし、レコード録音のみに専念するようになります。
その理由は、いろいろと想像されていますが、多分一番正しいのは、1000人以上入るようなコンサートホールで本当に自分のやりたい様な音楽を作ることは無理だと感じたことだと思います。
室内楽の正しい聞き方というものがあるのかどうかわかりませんが、本来は10人か20人ぐらいの小さなサロンで演奏されるのが一番親密で音楽が心に響くような聞き方ができるように思えます。とはいえ、そんな形でグールドを聞くという贅沢が許されるはずもなく、興業としても成り立たないわけです。
ジャズの場合も同じで、マイルスやビル・エバンスを小さなクラブで聞けたら本当に素晴らしいだろうと思うけれど、そんな贅沢はできないのと同じですね。

僕は昔、ピアニストの友人がいて、良く彼の家に遊びに行き、飲みながら音楽の話をして、彼がコンサートのために練習している曲を聞かせてもらったりしました。その時の、小さな部屋で、数人の気の置けない人たちと聞いた音楽が、どんな演奏家の演奏よりも心の中に残っています。

グールドはコンサートを拒否したことで、演奏家と聴衆の関係を拒否したのだという人もいるようですが、そうではなくレコードを通して、より広いオーディエンスに語りかけているのだと思います。

グールドは、あるインタビューの中でこう言っています。音楽は作曲家、演奏家、聴衆が一体になって作るものだと。
Posted by kozyken
category:音楽
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