幻影の書―ポール・オースター
幻影の書


ポール・オースターの「幻影の書」を読みました。

ポールオースターには一時はハマったことがあって、当時翻訳されている本はすべて読みました。大変なストーリーテーラーで、読み始めると止まらなくなり、続けて7冊ほど一気に読んでしましました。
ただ、どの小説も決して軽くはないのですが、読み終わった後に何か物足りなさを感じるところもありました。
久しぶりに読んだこの本は、相変わらず読者をぐいぐいと引っ張るようなストーリーの力がありますが、読んだ後まで体の中に重い存在感が残るのが、今までとは少し違ったように思えました。

主人公のデイヴィッド・ジンマーは、航空機事故で家族を亡くした大学教授。アルコールに救いを求めて、ほとんど人格が破壊されかかっているのだが、ある日テレビのトーキ映画特集で、50年前に行方不明になった、ヘクター・マンという俳優に引かれるところがあって、彼の作品を各地のフィルムセンターで見て、一冊の本を書きます。
この本がきっかけで、行方不明のはずのヘクターの夫人から連絡が来て・・・・。

ヘクター・マンは誰にも見せることのない映画をひそかに作っていたのですが、作中、この映画のことがかなり詳しく語られていて、小説の重要なカギになっています。

あとがきを読むと、この作中映画「マーティン・フロストの内なる生」は実際ポール・オースターの手で映画化されているらしいのですが、日本では上映されていないそうです。
ぜひ見てみたいと思わせる内容なのですが残念です。
ポール・オースターの作品は何本か映画化されていて、「スモーク」はとても素晴らしい映画だったことが思い出されます。
Posted by kozyken
category:
comment(0)    trackback(0)

comment
comment posting














 

trackback URL
http://bwv828.blog31.fc2.com/tb.php/534-9d0de40f
trackback