宇宙からの帰還―立花 隆
宇宙からの帰還

夏休みで家にいるときに、めずらしく日中にテレビを点けたら、立花隆のインタヴュー番組をやっていました。
2時間近い長い番組だったのですが、面白かったので最後まで見てしまいました。

その時話に出てきたからの著作「宇宙からの帰還」を読みました。85年に出版されていて、ずいぶん評判になった本なので、名前は知っていましたが、今回初めて読みました。

これは60年代、初めての有人宇宙船の打ち上げから、アポロによる月面探検の時代の多くの宇宙飛行士に立花隆がインタヴューした記録です。
各飛行士たちの生い立ちから日常に至る詳しい話もありますが、質問の核心は、宇宙空間で、また月の上に立って、地球を眺めながら何を感じたかということにつきます。

各個人の差はあっても、そこで語られることは次の3つに要約できそうです。

① 強い精神的インパクトを受けて、今までとは全く違う次元に意識が変化した。中には神の存在を実際に感じて、地球に戻ってからキリスト教の伝道者になった宇宙飛行士の話もあります。そこまでいかなくてもほとんどの飛行士が、神秘的で哲学的な話をすることが印象的です。
広大な宇宙と美しい地球を見ていると、このような秩序が偶然に出来上がることが信じられない、何らかの意志の元に宇宙ができていると確信したと多くの飛行士が語っています。

② 宇宙から見る地球は美しく、当然国境などは見えないので、地上のあちこちで国をめぐる争いで多くの人が亡くなり、莫大なお金が戦争に費やされていることがとてもばからしいことに思えると、これもほとんど例外なしに語っています。
民族の差、国による習慣、言語の違い、肌の色などは、宇宙から見たらほんの些細な違いに過ぎないと感じるようです。

③ 宇宙から見る地球は信じられないぐらい美しいが、多くの地点で環境汚染が進んでいるのを見ると、地球の未来が本当に心配になると、感じる宇宙飛行士も多く、実際地球に戻ってから、環境問題を扱う会社を興したり、政治家になった人も多い。

この本が書かれた当時は、まだ日本人の宇宙飛行士はいなかったわけですが、本を読みながら日本人だったらどうなのかな、と思っていたら巻末に2006年に野口聡一さんと立花隆の対談が付録としてついていました。
ただ、ほんの3ページほどの短いもので、ちょっとがっかり。いずれ、日本人宇宙飛行士との本格的なインタヴューを書いてほしいものです。
というのは、この本の多くの部分が宇宙飛行士の宗教的体験に費やされているのですが、生活の基本にキリスト教があるアメリカ人と日本人ではどんな違いが出てくるのか、そこが興味深いところだと思ったからです。
Posted by kozyken
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