粋な黒塀
僕が子供のころに「お富さん」と言う歌が流行っていました。「粋な黒塀、見越しの松に、徒名姿の洗い髪」と言う、当時の人ならだれでも知っている流行歌でしたが、子供にはさっぱり意味が解らなかった記憶があります。「見越しの松」を「神輿の松」と思って、なんで神輿に松が乗っているんだろうと思いました。子供なら当然考えそうな間違いですが。

黒い塀の内側に松が見えるという風景で、松は縁起が良い木なので、門の近くによく植えられていたのだと思います。

先日竣工した住宅のある台東区の根岸のあたりは、東京の下町の風情が良く残っており、正岡子規の旧宅であった子規庵や、林家三平の記念館があったりします。
裏道に一歩はいると古い木造住宅が残っていて、黒塀の家も多く見かけます。

ここに住宅を設計することになった時に、何とかこの街並みに合うようなデザインをしたいと思いました。
この場所は防火地域に指定されているために、新しく建てるときは木造では建てられないため、コンクリート造の3階建てになります。ただし、塀は建築物ではないので木でつくることができます。
そこで、コンクリートの硬い感じに、木の塀を組み合わせて、下町の街並みに合うように黒く塗ることにしました。

黒く塗った、格子の塀

塀越しに中庭のシンボルツリーが見えるように植えましたが、これは松ではあまりに和風になってしまうので、「エゴノキ」を植えてみました。

中庭のエゴノキ

建物自体はコンクリート打ち放しのモダンな外観ですが、この塀のおかげで下町の風情に同化しているのではないかと思っています。
Posted by kozyken
category:住宅
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