復刻版―デザイン・サーベイ
復刻版デザインサーベイ

出版社より「復刻 デザイン・サーベイ」と言う本が贈られてきました。

この本は、1960年代後半に行われたデザイン・サーベイで、当時建築文化と言う雑誌に発表された、法政大学宮脇ゼミナールの3ヵ所、明治大学神代研究室の4ヵ所をそのまま再録して1冊の本としたものです。
デザイン・サーベイとは魅力のある都市、集落を調査して、その空間の魅力がどこから来るものなのか分析するという、フィールドワークです。
僕は、学生時代、宮脇ゼミに所属していてこの本にある香川県、琴平の調査に参加していたので本が送られてきたものです。

50年近く前のサーベイの図面と写真を眺めて、その迫力には驚くべきものがあります。
近江、五個荘の町並み(屋根伏せ図)

宮脇ゼミのものは当事者なのでよく解っているので、神代研のものを丹念に読んでいるのですが、その中にはいくつか心引かれる、興味深いところがあります。
神代研の調査地4箇所はすべて漁村であり、村落の形態的調査とともに祭りについての詳細な調査をしています。
漁業は、常に死を伴う危険にさらされ、漁獲は自然の状況に左右されます。そのためにどの漁村も信仰が深く、神に祈願したり、豊漁に感謝する祭りが盛んです。

瀬戸内海、女木島の祭り

この本に出てくる祭りの様子はたった50年前のものですが、いかにまじめに神を敬って祭りが執り行われていたかがひしひしと伝わってきます。写真は当時の学生たちが撮っているはずですが、臨場感のある素晴らしい写真ばかりです。
 
沖ノ島の斜面の石垣集落

もうひとつ写真を見ていて感じること。四国周辺は石の山地が多いことと、海辺の村は強い風や高波から家を守るために、高く石垣を積んで独特な風景を作っているところが多いのです。
高知の宿毛に近い沖ノ島は海岸からすぐに始まる急な斜面にそのような石垣を築いて家が建てられていて、独特な空間構成を持っています。
この写真を見ていてすぐに連想されたのは、南イタリアのアマルフィーの斜面にへばりつくような町です。日本にも同じような空間構成を持つ町があるのだと思いました。

これらの村々は、今はどうなっているのでしょうか。一度たずねたいと思いながら、たぶんもうまったく変わってしまっているのだろうという危惧も感じます。
Posted by kozyken
category:
comment(0)    trackback(0)

comment
comment posting














 

trackback URL
http://bwv828.blog31.fc2.com/tb.php/627-43120151
trackback