悪い娘の悪戯
悪い娘の悪戯
 
マリオ・バルガス・リョサ新作の「悪い娘の悪戯」を読みました。

いつものリョサの作品とは少し違って、恋愛小説それも悪女もの。リマの裕福な家で育った主人公、リカルドは10代のときに惚れたニーニャ・マラに一生翻弄されると言う物語です。
50年代のリマ、60年代のパリ、70年代のロンドン、そして東京、マドリッドと彼女は彼の前に現れては、つかの間の期待のうちに新しい男とともに失踪を繰り返してゆきます。
そのたびに彼は失意のどん底に落とされ、二度と彼女に心を許さないと決意しながら、ふたたび彼女が目の前に現れるやその魅力に振り回されることになってしまう。

彼は晩年、舞台美術家の若い女性と同棲して心の平安を取り戻すのですが、年の差もあって本当に彼女を愛するところまで行くことなく、彼女は若いダンサーとともに彼の元を去ってゆきます。そんなときに彼も前に再びニーニャ・マラが現れて、・・・・・。
最後には、ちょっとひねりの効いた落ちが用意されているのですが。

この小説には、恋愛小説の一面と、もうひとつ50年代から現代に至る世相の移り変わりを克明に描いている面があり、ジャーナリストとしてのリョサの本領発揮と言うところです。
50年代キューバ革命後のペルーの革命運動と軍事政権、60年代5月革命前後のパリの雰囲気、70年代ロックとパンクのロンドン、そしてフランコ亡き後のマドリッド、その時代、その場所の雰囲気が実に生き生きと描かれています。
Posted by kozyken
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