写真展「1995年・日本の民家」
昨日は、汐留のパナソニック・ミュージアムで行われている写真展「1955年・日本の民家」に行ってきました。
1955年・日本の民家

これは、建築写真家の二川幸夫が1955年に日本中の民家を撮り歩いたときの写真を、最プリントした展覧会です。

大きく引き伸ばされて、少し粒子の荒れたモノクロの写真が迫力を持て迫ってきて、改めて日本の民家の美しさに気づかされます。
美しいかやぶき屋根

民家の美しさ、その屋根の形、壁の柱と漆喰の描き出す抽象絵画のようなパターン、内部の大黒柱や、丸太の梁等々、余すところ無くカメラのフレームに切り取られています。
そして、つい考えてしまう。
1955年から50年以上たった今、このうちのどれだけの民家が残されているのでしょうか。

外泊の集落

ここに、愛媛県宇和島に近い、外泊の民家の写真が展示されています。僕は1970年、大学4年生の夏休みにここを訪れています。そのときの村の様子は、この55年の写真とあまり変わっていませんでした。
海岸から山に向かって、石垣を積んで、そこに軒を深く出した平屋の家を建て、同じようにどの家も斜面に沿って家を建てているので、どの家もほとんど壁が見えません。斜面の下から見上げると、石垣と瓦屋根が交互に並んで独特な美しい景色となっています。

それから20年余り経って、当時小学生だった息子と、四国を半周する旅の途中で外泊に寄ってみました。そして、その景色の変わりように驚きました。
外泊の民家はほとんどが漁業を営んでいるのですが、折りからの観光ブームで、多くの家が民宿を兼業するようになっていました。そして部屋を増やすために、今まで平屋だった家を、多くの家で二階建てに建て直していたのでした。
そのことによってどうなったのか?
石垣はそのままなのですが、家が立ち上がったことで壁が見えるようになり、さらにその後ろに家の石垣を隠してしまうので、屋根の後ろに、後ろの家の壁が見えるようになる。つまり石垣と屋根で作り出されていたリズムが崩れて、壁が前面に出てくるようになるわけです。さらにその壁が、鉄板に木目をプリントした新建材で出来ているので、目を覆いたくなるような景色に変貌していたのです。

このようにして、日本の多くの民家が、集落がその美しさを失っていったことを、この展覧会を見て考えていました。
Posted by kozyken
category:建築
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2013/01/20 21:08 | | edit posted by
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