働き方
僕は数年前から、母校の大学の建築学科同窓会の理事をやっています。

理事と言うとたいそうな肩書のようですが、卒業生OB、OGの親睦を図るためのイヴェントをおこなったり、大学のいろいろな行事に参加したりするだけなのですが、その中で広報担当として、HPを作ったり、メルマガを毎月発行したりと、忙しいことは結構忙しく、かなりの時間をそのために使っています。
この仕事をやっていて、最大のメリットは何か、と言うと今まで知らなかったいろいろな人と知り合える、と言うことに尽きると思います。
特に、普段付き合うことのない若い人たちと付き合うことが増えたのが、最大の収穫と言えるでしょう。

そんな中で4年前に、大学院の卒業設計で大江賞と言う賞を取ったK君がいます。
僕は、その大江賞の委員も務めている関係で、彼とは卒業以来の付き合いがありました。
彼は、卒業して中堅のゼネコンに努めていたのですが、その間にドイツ語の勉強をして、去年の春にそのゼネコンを退職し、ベルリンの設計事務所に就職しました。

その辺の事情を、ベルリンの彼とメールでやり取りしているうちに、話が面白く多くの人に知ってほしい内容もあるので、僕が担当している同窓会HPに「ベルリン便り」と言う形で隔月で連載してもらうことになりました。
ドイツでの環境問題や、エコロジー、街並みや建築の話など、とても興味深い話があり、
昨日送られてきたエッセイのテーマは、ドイツでの働き方と休暇の取り方についてでした。

一般に日本の建築業界は、残業が多く、特に設計関係は締め切りが近づくと何日も徹夜が続いて、会社に缶詰めになることもざらです。K君も日本にいる間は、そのような働き方をしていたようです。
ところが、ドイツでは6時ごろにはほとんどの人が仕事を終え、特に忙しい人でも8時過ぎまで事務所に残っている人はいない。さらに育児期間中の人は3時ごろに退社したりするのですが、仕事はきちっと責任ある内容を任せられているというのです。
そのようなことが可能なのは、もともとの労働に対する考え方の違いもあるのでしょうが、根本には少ない仕事量を、きちっとこなして、適切なフィーを取れるような体制があるということのようです。
設計費も、工事費も日本より高く、設計の期間、工事の期間も日本より圧倒的に長いのですが、出来上がった建物を100年、150年使うことが当たり前なので、少しぐらい建設の時間を短くすることに意味がないと考えるようです。

丁度、今朝読んでいた建築雑誌にここ20~30年の間に建てられた東京の高層ビルが次々に建て替えのために解体されているという記事が出ていました。
その中には竣工当時話題になって、僕が知っている建物もいくつかあります。何百億と言うお金を使って建てられた建物がたった20年位で寿命を迎えてしますのは、信じられないことです。

これは建築だけの話ではありませんが、早く仕事を進めて、スクラップ・&・ビルドを繰り返すという日本の経済のあり方が、結果として日本人の生活を圧迫して、いつも仕事は忙しいけれど、生活の充実感を感じることが出来ないという状態を作っているのではないでしょうか。
Posted by kozyken
category:日記
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comment
はじめまして。
私は住宅の設計をしております。

本当にその通りですね。
経済の合理性ばかりに重きを置いて
その他のことは軽視しているのが
現在の日本の状況ですね。

豊かな暮らしをつくることを
仕事にしているので、
働き方もそうしていきたいと
この記事を拝見させて戴いて
強く思いました。
ありがとうございました。
2013/03/06 11:08 | URL | edit posted by のぐち
本当にそうですね
野口様
始めまして。コメントありがとうございます。
我々は、そんなに生活に困っているわけでもないのに、いつももっと働かなくては、と言う強迫観念に追いかけられているような気がします。
仕事のやり方と生活を見直して、人生を楽しめるようにしたいと思います。
2013/03/07 13:10 | URL | edit posted by 小島
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