サン・カルロ・アッレ・クワトロ・フォンターネ
ローマで好きな建築を上げろと言われれば、まず、このサン・カルロ教会を筆頭にあげたいと思います。

外観

クワトロ・フォンターネ通りと、クイリナーレ通りの角にあり、それぞれの角の建物に小さな泉があるので、クワトロ・フォンターネのサン・カルロ教会と呼ばれています。
バロックの巨匠、フランチェスコ・ボッロミーニが17世紀の初めに作ったものです。知らなければその前を通り過ぎてしまうほど小さな建物ですが、珠玉の名作と言えます。

バロックの語源はゆがんだ真珠だといわれています。ルネッサンスの建築が真円だとすれば、このサン・カルロ教会はその名の通り楕円形をモチーフにしています。
外観は、凹面と凸面を組み合わせたうねる様な壁面に特徴があり、これもルネッサンスの整った壁面とはずいぶん異なった、動きのある表現と言えます。

内部に入ると、自然と視線は上を向いて、楕円形の美しいクーポラに向かいます。実際には楕円ではなく、二つの半円をより大きな円弧がつなぐような形をしていますが、頂部から入ってくる光が、十字形をモチーフにした複雑な格間を照らし出して、一段下部の暗さとの対比が見る者の目をくぎ付けにします。

天井のクーポラ

今回は時間に余裕があったので、椅子に座ってゆっくりとみていると、そのクーポラの美しさだけでなく、その下部へのつながりも実に精巧に考えられていることに気が付きます。
クーポラの下は、やはり楕円形のペンディンティブで支えられ、その下に回るエンタブラチュアは凹面と直線で構成されています。そのエンタブラチュアを支えるコリント式の柱も実に複雑に配置されています。
ほんとに小さな空間ですが、ボッロミーニは様々な工夫を凝らしてまさに珠玉の空間を作り上げたと言えます。

クーポラから下部へかけての精密な造形構成

柱間を飾る、貝をモチーフにした装飾も実に美しいものです。
貝のモチーフ

今まで気が付かなかったのですが、地下にもこのような礼拝堂があり、ボッロミーニ自身がここに埋葬されているそうです。
地下礼拝堂

礼拝堂の横にはこれまた小さな回廊に囲まれた中庭があります。
礼拝堂の楕円形に対応して、こちらは長方形の四隅を45度にカットしたようなプランをしています。ドリス式の柱頭を持つ柱は、2本一組になって、隅のところでは45度に振るという、他に例を見ないような変わった構成をしています。
回廊を持つ中庭

回廊は二階にも周っていて、一つ一つの構成要素はシンプルで美しいものです。
回廊1階と2階

上を見上げると、そのプランのままに青空が切り取られていました。
中庭の見上げ
Posted by kozyken
category:建築
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