富永先生の家とコルビュジェ
前回に続いて、日曜日に伺った富永譲さんの自邸の話です。

富永先生は建築家として有名なだけでなく、フランスの建築家、ル・コルビュジェの研究でも有名です。ル・コルビュジェは20世紀の近代建築にもっとも大きな影響を与えた建築家で、日本では上野にある国立近代美術館の設計者として、世界遺産に登録されるかどうかが話題になってご存知の方も多いことと思います。

コルビュジェのビラ・ガルシェ
この写真は、そのコルビュジェの初期の住宅で、ビラ・ガルシェの名前で知られています。この建物は、コルビュジェが今までの建築から決別して、新しい建築の考え方を示したという意味で非常に重要な住宅だと言えます。
コルビュジェはその著作の中で、近代建築の5原則を上げているのですが、その中に、自由な立面と言う考え方があります。それまでのヨーロッパの建築は石で造られたものが多かったので、大きな窓を開けることが構造的にできませんでした。しかしコルビュジェは、鉄骨やコンクリートで造れば構造は柱と床で持たせて、壁は自由になると主張したのです。
それがこのビラ・ガルシェの端から端までの横に長い窓です。
今までの石造建築に慣れた目には、非常に新鮮なものに映ったに違いありません。

富永先生の自邸
そしてこの写真は富永先生の自邸。窓の開け方が似ていると思いませんか?
日本の建築は木造で、柱梁が構造を受け持っているので自由に窓を開けることが出来ます。と言っても地震が多い国ですから、横からの力に対抗する必要があり、それを普通は筋違と言う斜めの材で持たせるようにします。普通はこのスジカイは壁の中に隠れているのですが、富永先生の家では、外付けサッシを使うことによって筋違のあるところにも窓を開けています。筋違は全ての柱間に入っているので、非常にがっちりした構造でありながら、ビラ・ガルシェの様に端から端までの横長の窓が実現しているのです。
この窓の室内側には障子が入っていて、筋違の存在を薄くすると共に、外からの視線を遮って、断熱効果もあるという仕組みになっています。

外付けサッシも、障子もごく一般的に流通しているものです。特別なものを使わずに、ローコストで非常に質の高いデザインをしているところがさすがだと思いました。
Posted by kozyken
category:住宅
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