大いなる眠り
大いなる眠り

レイモンドチャンドラーの「大いなる眠り」(村上春樹訳)を読みました。
フィリップ・マーロウが活躍する探偵小説です。

この前に、ピアニストのヴァレリー・アファナシェフのCDと一緒に買った「ピアニストのノート」という本を読んでいたのですが、これがとても読みにくい本で、めったに読みかけで放り出すことのない僕もついに途中で挫折してしまいました。
もっと楽しい本が読みたいということで、読み始めたのが「大いなる眠り」。

これはチャンドラーの長編第一作目ということですが、すごく面白くて、かなりの長編をいっきに読んでしまいました。
マーロウは、シャーロック・ホームズや、ミスマープルのように緻密に論理を重ねていって事件を解決するといったタイプではなく、危険を顧みず現場に乗り込んで行って、その空気を感じ、感覚で推理してゆくというタイプの探偵ですが、そこがまた大きな魅力になっています。
いくつもの殺人事件と多くの登場人物が現れ、複雑に事件が絡み合って行き、読者の頭もこんがらがってしまうところもあるのですが、この本はそんなことは気にせずに一気に読んで、ストーリーのライブ感を楽しむべきなのかもしれません。

話の中で重要なプロットになる殺人を犯した男が、翌日死体で発見されるくだりがあるのですが、その犯人が解らないだけでなく、その事件そのものが読んでいる中で事件として扱われていないところがあります。僕の読み落としかと思って何度か読み返してみたのですが、結局解りませんでした。あとがきを読むと、僕の読み落としではなく、実際書かれていないらしい。この本の映画化にあたって、監督のハワード・ホークスが電報でチャンドラーにあの犯人は誰なんだと問い合わせたところ、「私は知らない」と答えたというエピソードがあるそうです。

村上春樹の翻訳も、そんなこの本のライブ感を見事に写し取っています。
Posted by kozyken
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