国立能楽堂
昨日の夜は、千駄ヶ谷にある国立能楽堂でお能を鑑賞してきました。
「弱法師」と言う出し物で、照明を消してろうそくの明かりで演ずるという、とても雰囲気のある舞台でした。
セリフはなかなか解りませんが、事前に物語の筋だけは調べておいたのでゆっくり楽しむことが出来ました。舞台の進行の間、大小二つの鼓の演者が、声を掛けながら交互に高低の音を発して行くのがとても気持ちよく感じられました。
舞台の音響も良いのかもしれません。

この建物は、建築家の大江宏の設計です。この建築を見ることも目的のひとつでした。
1983年の竣工、大江宏晩年の大作です。20年ぶりに再会して、大江宏のすべてがここに込められていると言っても良いのではないかと言う印象を持ちました。

道路の角から斜めにアプローチして正面玄関に向かいます。
正面玄関へのアプローチ

建物の本体は鉄筋コンクリート造ですが、緩やかな反りを持つ方行の屋根をいくつも重ねるような形ですが、実はこの屋根は瓦ではなく、アルミのルーバーを並べたものです。
屋根の重なり

エントランス部分は、石を張った壁と木造の木組みの対比が美しいコントラストをなしています。この木造部分は構造体ではないのであくまでも化粧で、しかもその木造部分を本来の構造のコンクリートと分離して表現しているところが、いかにも大江宏流です。大江宏はこれを、日本古来の建築の考え方として「野物と化粧」と言っています。
エントランスホール

天井を見上げるとこの様な組み物がしてあります。
斗栱と呼ばれる組手

これはホワイエ部分。林立する丸柱と、上部の障子からあふれてくる光がとても美しい。全てのラインが縦の線となっているところも特徴的です。一緒に行った女性の先輩たちが、大江先生の建築には何とも言えない色気があると表現したのもうなずける気がします。やはり女性的ならではの表現だと感心したものですが。
ホワイエ

ホワイエを一段上がったところ

通路の部分もこのようにコンクリートの壁に対して木造の柱が独立して、野物と化粧をはっきり分けて考えている事が解ります。
通路部分

この日の舞台ではこのように周囲にろうそくを立てて、優雅な雰囲気の中で能を楽しむことができました。
舞台
Posted by kozyken
category:建築
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