目黒区役所見学ツアー
目黒区役所外観

先日、目黒区役所の見学ツアーに参加してきました。

区役所の見学?と思う方もいるかもしれませんが、この建物は建築家の村野藤吾の設計で1966年に完成したもので名建築として知られているものです。もとは千代田生命が本社ビルとして作ったものですが、千代田生命の経営が思わしくなくなったときに売りに出され、一時は解体されるという話もあったのですが、目黒区が買い取って改修工事を行い、2003年から区役所として利用されています。
そして、この建物の価値を広く知ってもらおうという目黒美術館が毎年この時期に見学ツアーを開催しています。ツアーの案内係は、建築に詳しい人たちがボランティアで行っていて、僕の友人もこの案内係をやっています。

屋上で、案内の女性建築家の説明を聞く

村野藤吾という建築家は、東京の日生劇場、広島の世界平和記念聖堂、そごうや、高島屋などのデパート、プリンスホテルなど幅広い建築で活躍した人です。モダンな建築でありながら、独特な形態と緻密なディテールで、他の建築家とはずいぶんと異なった特別な位置に立つ人ではないかと思います。
目黒区役所も、村野流の豪華で華やかでありながら抑制のきいたデザインが随所に見られます。特に有名なのがメインのホールを抜けたところにある階段で、複雑な曲線を描き優雅な雰囲気を持つ、まるでそれ自体がオブジェのような階段です。たぶん今これを作ることは技術的にも予算的にも難しいのではないかと思います。

一番の見どころの階段

この見学ツアーに参加して強く感じたことは、この建物が解体されず区役所として使い続けられて本当に良かったということでした。これを解体して建て直したら今よりも費用が掛かり、建物はもっと貧弱なものしか建たなかったでしょう。目黒区の判断にも敬意を感じます。
今は公共建築の予算が厳しく制限される時代ですが、場合によっては十分な予算をかけて建設しても建物を長い時間かけて使い続ければ結果的に安い買い物になるわけです。または新築ではなく、古くても価値のある建物をコンバージョンして使い続けるという発想も大事なのだということも改めて考えさせられました。

3階にあたるメインロビー
メインロビー天井のトップライトとモザイクタイルの装飾
Posted by kozyken
category:建築
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