「セル」 スティーヴン・キング
セル


久しぶりにスティーヴン・キングのホラー小説を読んだ。
「セル」(新潮文庫)、携帯電話のことです。

ある日、携帯電話の電波に特殊なパルスが流され、一瞬の内に携帯電話を掛けていた人間が発狂してしまうという怖い話。
人間の脳の中にある、理性とか経験、記憶が全て消去されてしまい、動物的な凶暴な攻撃性だけが残され、周りの人間を攻撃して、殺し始める。
僕は、これを読んで、この間の秋葉原での無差別殺人のことを思い出してしまった。一人の狂気に駆られた人間の為にあれだけ悲惨な状態になったのだから、廻りじゅうの人間が狂ってしまったらどのような状態になるのか、考えるだけでも恐ろしい。
あの事件も、携帯電話が原因のひとつになっていたという話もあるし、絵空事と笑って済まされない怖さが、この小説にはあります。

携帯電話が嫌いな為に助かった主人公と、たまたまその日携帯電話が壊れていた男、そして、狂った母親から逃げてきた少女の3人が、助け合いながら危機を切り抜けてゆく。

不気味なシーンも多いけれど、やがて主人公達の間に友情が芽生えて、協力して進んでゆくというのは、キング小説のいつものパターン。解っていながらも決して気持ちの悪い感覚がない。
相変わらずのストーリーテーラーぶりで、長い話を一気に読ませるので、仕事に疲れているときには持って来いといえる一冊です。
Posted by kozyken
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